世界で最も有名な「シリア人」の死―スティーブ・ジョブス氏死去にシリア市民の声
2011年10月06日付 Milliyet 紙
世界は、本日56歳で人生の幕を閉じたスティーブ・ジョブス氏の死を悼んでいる。シリア人にとってジョブス氏の死は特別な意味を持って表現されている。ソーシャル・メディア上で、シリアの人々は、「生物学的な父親」を通じてシリアにつながるジョブス氏に親近感を示し、彼の死を反政府運動と関連付けようとした。
あるツイッター使用者は、シリアのアサド大統領に宛て、「本日、死ぬべきではないシリア人が亡くなった」と書き込んだ。
他には、「スティーブ・ジョブスが癌で亡くなり、でもアサドがシリアの癌として生き続けている病んだ世界で暮らしている」との書き込みがあった。
ツイッターでは、ジョブス氏について「偉大なアメリカのアラブ人」、「世界で最も有名なアラブ人」等の表現は注意を引いた。
■「シリアで暮らしていたら成し得なかった」
一部のシリア人は、ジョブス氏が父祖の土地シリアで暮らしていたら、このようなキャリアを築く事は出来なかったとした。ラナと言う名前の21歳の学生は、「悲しかった、でもジョブスがシリア人だからじゃなくて、彼が創り出しだしたものを偲ぶだろうから悲しいんです。仮にシリアで生活をしていたら、ジョブスの発明は生まれなかったと思います」と述べた。
インターネットサイト・デザイナーのアリは、「大変悲しい、彼の成功を懐かしむだろう。でも会社は存続し続ける。シリアで暮らしていたら、このような成功を収める事はなかった」と書き込んだ。
■彼の実父だとつい最近知った
ジョブス氏の実父は、シリアのホムス市出身で、名をアブドゥルファッターフ・ジャンダリという。彼は、8月にNEWYORK POST紙のインタビュー記事で、アップル社のCEOジョブスの実父であることをつい最近知ったと述べた。
ジョブス氏の実母はジョアン・キャロル・シブレという女性で、彼女の「厳格な」父親が、ジャンダリ氏がシリア人である為、結婚を許可しなかった。そのため、彼女は未婚のままジョブス氏を生み、養子に出した。
かつて学究に勤しみ、現在ネバダのリノ市在住でブームタウン・カジノの経営者であるジャンダリ氏は、「ジョアンは不意にサンフランシスコに引っ越し、私にだけでなく誰にも言わずに出産した。家族に恥じをかかせたくなく、こうすることが皆にとって最前のことと考えたからだ」と述べた。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
翻訳者:有田 潤
記事ID:24178