新刊本『ラク百科』、第17回グルマン世界料理本賞で1位

2012年03月11日付 Radikal 紙
55人の作家の手により、500年にものぼる歴史年表においてラクに関わる様々なことが記された『ラク百科』は、パリで1位を手にし帰国した。まったくラクを飲んだことのない人に、ラクはどのように解説されるのか?この『ラク百科』の編集者であるエルディル・ ザト氏が、語った。

ジュジェ・シモンとは誰なのか?アフメト・ハムディ・タンプナルによる3か条のラク・マニフェストでは、どのようなことが述べられているのか?「ラクで痩せた男」とは誰に対して言うものなのか。アイランを混ぜたラクの夜とは何と似ているのか?どのようなグラスを馬の耳と呼ぶのか?お酒の代わりに果物を勧める詩も発表されたアルコール敵対新聞は、いつ頃発刊されたのか?

エルディル・ザト氏の編集のもと、55人の作家の手により発刊された1755項目からなる『ラク百科』は、その礼儀作法から楽しみ方まで、あるいは付け合わせの料理から歴史的人物のラクに関わる食卓の思い出に至るまで、この地において500年続くラク文化の素晴らしさを紐解く解説書として昨年刊行された(オーバー チーム出版社より)。

この百科事典は、食べ物や飲み物に関する、162ヶ国で出版された書籍が競い、非常に細かいカテゴリー分けがなされる(コンテスト の)部類の中でも、最も名誉ある賞の一つである第17回グルマン世界料理本賞においてノミネート部門で1位を獲得し、パリから凱旋帰国した。舞台では『パタゴニアの食卓』の著者らが、鉱山会社は自然を破壊しようとしていると語っている。デンマーク人のグルメ作家はすでにお腹いっぱいといった感じで、「このご時世、健康的なのは地中海料理だけじゃなく、スカンジナビア料理もとても健康的だぞ」と話している。カタロニア料理は、今回初めてこれほど大々的に 書籍化したらしい。お腹に入るまでのすべての行程にメッセージがある。近々英語やドイツ語、そしてフランス語でも翻訳が行なわれる『ラク百科』が伝えるメッセー ジについて、編集をつとめたエルディル・ザト氏と話した。

■これまでの人生においてまったくラクを飲んだことのない人に、あなたならどのようにラクを説明しますか?例えば、どんな音楽や映画、あるいは小説にたとえますか?

「これは難しい質問だ。その人が外国人ならば、世界的な詩人であるウマル・ハイヤーム氏の後ろに隠れてあいまいな答えをするだろう。この地域で暮らす人々は ラッキーだ。アニスはたんなる呼び水だ。ラクの本来の美味しさは、友人たちと囲む酒杯のための簡易卓なのだ。この精神は、われわれの文学や音楽、 そして芸術において深く表現されている。例えば、サイト・ファイクの物語やオルハン・ヴェリの詩、セラハッティン・プナルの曲、そしてミュゼッイェン・ セナルの歌などをさほど考えることもなく勧めるだろう。」

■すべてのお酒について、百科事典を作ることはできるのでしょうか?

「あらゆるテーマの、つまりあらゆるお酒の百科事典を作ることは可能だ。今でも毎年何十冊も出版されるワインやビールの本が、その筆頭だ。 ウイスキーの百科事典は山ほどある。しかし、すべてのお酒についてこれほど包括的な情報のレパートリーを引き出すことは不可能かもしれない。ラクの歴史的、社会的そして文化的な情報の潜在力は、非常に幅広い。ラクとは、ひとびとが共有する味覚を発展させたお酒なのだ。これに添うようにと、酒杯のための簡易卓と呼ぶ食卓をわれわれは発展させたのだ。ここでは、付け合わせの料理や味わい方とともに、沢山の「ラクの料理スタイル」というカテゴリーが入り込んでくる。しかしラクと同じような酒類の多くでは、このカテゴリーは一部の前菜や果物が関わってくる(のみだ)。独自の語法をもつラクが言語や文学、芸術そして多くの文化的分野にて反映することで、情報の規模が何倍にも増している。」

■フランスとの関係が緊張状態であるこの時期に、『ラク百科』はフランスで受賞しました。コンテストでは、この問題が取り上げられることはありませんでしたか?

「直接何かを経験することはなかったが、問題があるということは感じた。詰まるところ、文化を政治から排除することはできないのだ。グルマン・インターナ ショナルは、世界的な文化に対するわれわれの貢献を評価し、政治的ヘゲモニーを無効化したとともに、彼らが考える多元的政策を実証した。ラクは、この地域で生じたあらゆる文明、国家、そして市民の共有の文化的遺産である。ギリシャ正教徒やアルメニア正教徒、ユダヤ教徒そしてその他の異教徒たちを、ラクの文化から切り離すことは愚かな努力である。受賞の挨拶では、『ラクとは人々を一つにするお酒であり、深く分裂する世界情勢の中で得たこの賞は、われわれにとっ てとても重要なものである』と言った。このメッセージは人々の心に届き、異なる地域の人々から称賛された。」

■食べることや飲むことは、世界が近づくことと結びついてミクロな民族主義の領域でもありえることであり、その反対にあらゆる民族主義に反対する純粋さでもあります…ラクとそれを囲む500年の伝統は、したがってまるで2番目の可能性を孕んでいるようです。

「ええ、もちろん。この百科事典に『トルコのラク』という項目はない。その代わりに、『ラクは誰のお酒か?』という議論のつまらなさを強調する『トルコの ウゾ(ギリシャのラク)』という面白い項目がある。これは1989年のトルコ訪問の際に、イェニ・ラク(トルコの代表的なラク)を飲んでいるところを映されたギリシャのアンドレアス・パパンドレウ元首相を批判した民族主義者的ギリシャのマスコミ報道を取り上げている。もちろん、この逆のことを試みた人々も、このことから教訓を得るべきだ。ウゾを『ギリシャのラク』と定義することは、悪意のあることだ。歴史に背を向けることは、誰にとっても無益だ。(歴史に比べ短く)はかない人生のものの考えは熱狂的になりがちなのだから。」

今年第17回目が開催されたグルマン世界料理本賞は、この分野における最も名誉ある賞の一つに数えられる。この賞でノミネートされた部門にて1位を獲得した『ラク百科』の表彰を、600ページに及ぶこの百科事典の出版を手掛けたエルディル・ザト氏が受けた。


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翻訳者:指宿美穂
記事ID:25783