「正義を希求する大学生運動」主催の会議「第11期政権の外交政策の課題」の中で、現状況における妥協はイランを害し、西洋を利するとの見解が示された。
イラン学生通信の報道によると、5+1(国連安保理常任理事国とドイツ)とのイラン交渉団の一員であるモハンマド・ジャムシーディー氏は、アメリカは各時期に、イランに対して二つの戦略的目的を追求してきたと指摘した上で、「アメリカにとって最大の目的はイスラーム共和国体制の変更であり、最小の目的はイラン・イスラーム共和国に独自のアイデンティティを与えている、同国の〔前衛的な〕行動を変えさせることである」と付け加えた。
同氏は、アメリカは〔前衛的な国家としての〕イスラーム共和国体制のポテンシャルをゼロにすることを目論んでいると指摘し、「アメリカは地域における自らの戦略上の弱点が理由で、イランとの協力・対話の方向へと動いたのであり、オバマは〔対決ではなく〕外交を優先したのだ」と語った。
テヘラン大学教授である同氏はさらに、「イランが合理的理由なく、アメリカとの交渉、協力・対話、ないし対決に関与したことは一度もない。しかしアメリカの対イラン外交には持続性が欠けており、彼らは自らの戦略上の弱点を軽減するために、外交を利用しているのである」と付け加えた。
同氏は制裁圧力に触れ、「アメリカは外交が最終地点に達することを目指している。外交の最終地点とは、すなわちイランとアメリカによる二国間交渉のことである。しかし理性は、イランはこの交渉に応じるべきではないと命じている」と語った。
イラン核交渉チームの一員である同氏はその上で、
妥協を志向するグループは今、〔アメリカはイランとの〕衝突を追求してはいないと述べているが、しかし彼らが知るべきなのは、〔アメリカはイランの〕体制の利益を守ろうとしているわけでもない、ということである。もし今、われわれが後退すれば、西洋が前進してくるだろう。改革政権では、交渉が行われるたびに、〔国際原子力機関の〕理事会はイランに不利な決議を採択した。もし今抵抗しなければ、制裁は緩和されることなく残り続けるだろう。
と指摘した。
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。)