アフマド・タヴァッコリー「西洋はイランの濃縮の権利に対して頭を低く下げた」
他方、経済の専門家でもあるアフマド・タヴァッコリー議員は、イランと5+1との間で結ばれた合意を手放しで評価している。同氏は今回の合意を高く評価した上で、「今回の核合意で重要なのは、西洋諸国がイランの〔ウラン〕濃縮の権利に対して、頭を低く下げて認めたことである」と述べた。〔‥‥〕
同氏はさらに、「もう一つ重要な点は、今回の状況をリビア〔が2003年に核計画を断念したこと〕と比較してみることだ。リビアは、『IAEAの査察官が査察するのを受け入れる用意がある』と言ったが、しかしアメリカは『お前たちはすべての設備を片づけて、われわれのもとに送れ』と言った。リビアはこれに唯々諾々と従った。さて、これと、イランと5+1との間で結ばれた合意とを比較してみるといいだろう」と指摘した。
バズルパーシュ「核チームは西洋との合意文書の内容を早急に公開するべきだ」
原理派の国会議員である
メフルダード・バズルパーシュ氏も、イランと5+1との合意に批判的な人物の一人である。同氏は、今回の合意内容に関する西洋諸国の責任者らの発言に数々の矛盾した点が見受けられることは、〔今回の合意内容に〕疑念を抱かせるものだと強調している。
同氏はアーザル月3日〔11月24日〕の国会公開会議の場で、国内外のメディアで報道されている〔国内外の当局者らの〕一部の発言には矛盾があると指摘した上で、「報道でザリーフ氏の発言とされるものによると、同氏は濃縮度5%のウランの生産はこれまで通り続けられると言っている。その一方でアメリカは、今後6ヵ月間、イランは濃縮度5%〔のウラン〕の備蓄は増やさないことになった、と言っている」と指摘した。
同氏はその上で、「米大統領も発言の中で、イランの核計画を初めて停止させることができた、イランは次世代の遠心分離器を利用することはないだろう、などと言っている。また米国務長官も、今回の合意文書には、イランの〔ウラン〕濃縮の権利については何も書かれていない、さらに今日からフォルドゥーやアラーク、ナタンズ〔の核施設〕が拡充されることはない、とも述べている」と指摘し〔、合意内容に疑問を呈し〕た。
バズルパーシュ議員はさらに、「ザリーフ氏は再度、発言の中でアラークの活動は継続されると言ったが、その一方でオバマはアラークの重水〔炉の建設〕作業は停止されると言っている。ジョン・ケリーも、イランはアラーク〔の重水炉〕を建設することはないだろうなどと言っている。〔‥‥他方で〕アラーグチー氏〔※外務次官〕はアラーク〔重水炉〕の建設は継続されるが、その稼働は停止されると言っている」と述べ〔、実際の合意内容が何であるのかを早急に公表するよう政府に求め〕た。
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メスバーヒーモガッダム議員「イランは名誉ある立場から、自国の核の権利を敵に認めさせた」
ホッジャトルエスラーム・ヴァルモスレミーンで、経済の分野に明るい著名国会議員の一人であるゴラームレザー・メスバーヒーモガッダム師も、イランと5+1との間で結ばれた合意を前向きに評価する専門家の一人である。原理派の政治家である同師は、今回の合意の肯定的な結果について述べている。
国会の予算計画委員会の委員長を務める同師は、ジュネーブ協議について触れ、「本日ジュネーブで行われたことが示すのは、イラン国民が名誉ある立場から、自らの核の権利を敵に押しつけ認めさせることができた、ということだ」と述べた。
同師は、オバマからはイランとの関係樹立に向けてさまざまな提案が行われていると指摘した上で、「アメリカがこれほど簡単に交渉のテーブルに就くことはこれまでなかったが、しかしイランは〔今回〕、彼らと〔正式な〕関係を樹立することなく、制裁という難問を取り除くことに成功したのである」と述べた。
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本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。