アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はさらに、次のように指摘した。
イスラーム法上の規範や理性的・政治的判断から、イラン・イスラーム共和国が核兵器を追い求めてなどいないことは明らかとなっている現在ですら、アメリカ当局は核問題のことを話題にするといつも、陰に陽に核兵器のことを持ち出してくる。しかし実のところ、核兵器を持たないことがイラン・イスラーム共和国の確たる方針であるということを、彼ら自身承知しているのである。
同師はその上で、
こうした口実によって、反イラン的な国際的雰囲気を保つというのが、彼らの狙いなのである。核交渉に対する政府の新たな計画に同意したのは、こうしたことが理由だ。核交渉はこうした世界的な雰囲気を打ち壊し、相手側から主導権を奪い取り、真実を世界の人々に示すためなのである。
と付け加えた。
■ 交渉は妥協・断念を意味しない
イスラーム革命最高指導者はまた、「もちろん、交渉とは、イラン・イスラーム共和国が核に関する自らの科学的運動を断念する、ということを意味するものではない」と強調した。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はその上で、次のように指摘した。
これまでわれわれが手に入れた核の進歩・成果は、実際、イラン国民も科学技術の高き頂きに通じる道を踏破するができるということを伝える吉報である。それゆえ、核に関する科学的運動が中断ないし鈍化されるようなことがあっては、断じてならないのである。
同師は、イランの交渉担当者らは〔欧米諸国に対して〕核研究・開発の継続をしっかりと主張すべきだと強調した上で、「国の手に入れた核の成果に中断可能なものは何一つ存在しない。これをめぐって取引をする権利は誰にもないし、そのようなことをする者は誰もいないだろう」と続けた。
イスラーム革命最高指導者は核の専門家・科学者らに向けて、「あなた方が開始した道は、真剣かつ全力で継続されねばならない。なぜなら、国は科学技術、特に核技術の発展を必要としているからだ」と呼びかけた。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はさらに、
もし核技術の分野における科学的運動が真剣かつ力強く継続されるならば、さまざまな技術分野が即座に生まれるだろう。それゆえ、核に関する科学的運動を中断したり、鈍化させたりするような可能性は絶対にありえないのである。
と強調した。
同師は国内にいる若き才能の数々を見るならば、さまざまな技術で発展を成し遂げる可能性は高いと指摘し、「必要な基盤が存在する分野では、驚くべき仕事を成し遂げることが我が国の若き科学者らには可能だろう」と付け加えた。
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本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。