テヘラン臨時金曜礼拝導師は、最高指導者のお言葉に従い、いかなる代償を払おうとも、核の分野で我が国の科学者たちが手に入れた成果から、われわれが後退することはないだろうと強調した上で、「アラーク重水〔炉〕であれ、その他の炉であれ、〔開発を〕中断することは断じてできない」と述べた。
イラン学生通信(ISNA)の報道によると、ホッジャトルエスラーム・ヴァルモスレミーンのカーゼム・サディーギー師は今週のテヘラン金曜礼拝での説教で、イランの核問題が我が国に対する制裁発動の要因になったとは思わないと述べた上で、次のように語った。
私の考えでは、反乱〔※2009年大統領選後の抗議運動〕が我が国に対する制裁発動のきっかけになった。なぜなら、制裁そのものは革命の初期から始まっていたが、しかしその大波は、反乱者〔※2009年大統領選後の抗議運動に関わった人々〕我が国に打撃を加え、政府が弱体化しているかのような印象を与えた〔後に生じた〕からだ。このときから、彼ら〔=欧米諸国〕は敢えて、この種の不法で高圧的なことをわれわれに対して行うようになったのだ。
サディーギー師はさらに、次のように続けた。
われわれの核の燃料サイクルが世界と抑圧諸国によって機能停止に追い込まれたとき、何が起きるのかといえば、それは〔制裁緩和による〕われわれの生産サイクルの加速ではなく、〔むしろ停滞であり、〕さらにはわれわれの経済と発展のサイクルのこれまで以上の混乱だろう。この二つ〔=核開発と経済発展〕は互いに必要条件である。もしわれわれがこの点〔=核開発〕で自らの力を示すことができれば、生産の領域でも同じようなパフォーマンスが可能だろう。そうでない場合〔=核開発が中止させられた場合〕、われわれは本当の敗北を喫することになろう。
同師は演説の続きで、「
国軍の日」及び「革命防衛隊創設記念日」について言及し、軍は平和をもたらす使者であると述べた上で、「我が軍は物質的世界〔※〕すら恐れをなすほどの力をもっている」と述べた。
※訳注:イスラーム共和国イデオロギーにとって、イラン・イスラーム共和国は「精神性」によって支えられた国であり、それ以外の、特に資本主義や共産主義に毒されたアメリカから旧ソ連にいたる西洋世界は「物質的世界」である、とされる。
今週のテヘラン金曜礼拝導師を務めたサディーギー師は、大統領のスィースターン・バルーチェスターン州への訪問について触れ、こうした訪問は革命最高指導者も支持し、勧めていることだと述べた上で、次のように語った。
この種の訪問は国民と面と向かって話をし、彼らの情熱を引き出すという点でも、またこうした地域が優先的に必要としているものが何かを判別するという点でも、好ましいことである。こうした政権による訪問が、国民を潤し、体制の強化につながることを願っている。
同師は
欧州議会の声明にも言及し、この声明は妄想的で恥知らずだとした上で、「彼らは何年もイランについて経験を積みながら、新たな状況が生まれたなどと考えている。今回の〔核〕交渉で、彼らはわれわれの宗教、文化、価値観を冒すことができるなどと、誤った考えに取り憑かれている。しかしながら、実のところ人権を侵害しているのは、彼ら自身なのだ」と断じた。
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本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。