イラン外相はミュンヘン安全保障国際会議が行われている傍らで〔記者らと〕質疑応答を行い、核交渉をめぐって〔国内の急進派の〕一部から起きている批判、中でもジュネーブ交渉の傍らでアメリカのケリー国務長官と〔親しげに〕散歩をしたことについて起きている批判について、「イランはモノロゴスな国ではない〔=さまざまな意見が飛び交う国だ〕ということを認識すべきだと思う。‥‥私は批判者たちに、私を批判する権利を認めている」と述べた。
ファールス通信が伝えたところによると、モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相はワシントンポスト紙のアナリストであるデイヴィッド・イグナチウス氏の司会によって開かれたこの会見で、次のように続けた。「イランでは西洋およびアメリカに対して、広範囲にわたる不信感が存在する。そのため、私たちの一挙手一投足は国民および議会によって注意深く観察されるのである」。
同氏はさらに、次のように述べた。
これまでの過去のために、特に〔アメリカがイラン・イラク戦争で〕サッダームを支持したり、イランの合法的な政権を転覆させたり〔※1953年に米CIAおよび英MI6が組んだクーデターによってモサッデグ政権が転覆させられたことを指す〕、といった過去が原因で、私たちが〔欧米との間で〕行うさまざま行動が、事細かに精査されてしまうのである。私は議会に赴いて、〔ケリー長官と親しげに散歩したことについて〕説明を行う用意がある。‥‥彼らにも、〔私を〕批判し、西洋に対して猜疑心を抱く権利がある。
ザリーフ氏は核交渉が延長される可能性について、「現行の交渉の延長は、いずれの側にとっても有益ではないと思う。決められた期間内での合意達成に、私と私の同僚たちの全エネルギーをかけるつもりだ」と述べ、さらに次のように付け加えた。
今後6週間、〔交渉の〕行き詰まりではなく、解決策を得ることに集中したいと思う。‥‥成功をものにする必要があるが、しかしもし不成功に終わったとしても、イラン国民は私たちを責めるようなことはないだろう。むしろ、イランに対して過大な要求をしてきた者たちを非難するだろう。
ザリーフ氏は、イグナチウス氏が制裁は段階を踏みながらステップ・バイ・ステップで解除されると述べたことに対し、「合同行動計画では、互いのすることについて述べられているが、制裁の段階的解除については、何も触れられていない。制裁の解除が合意の条件だ」と指摘した。
同氏はさらに、「もし合意に至らなくとも、世界が終わるわけではない。私たちは自らのすべき努力をしてきたし、〔これ以上のことは〕不可能だった。〔交渉の〕延長が役に立つとは思わない」と続けた。