競争委員会[訳注:日本の公正取引委員会にあたる]委員長は、15%の自動車価格の値上げを拒否し次のように述べた。「市場は、価格弾力性が少ない。自動車メーカーはまず、品質向上の努力をせよ。」
IRIBニュースの報道によると、競争委員会レザー・シーヴァー委員長は通貨為替年次総会の第25回会議の合間において、次のように加えた。「値上げしないことが、自動車メーカーにとってより良いことになる。なぜなら市場は、必要な価格弾力性を有していないからだ。」
彼は、自動車の価格設定の指標が決定されたことを触れ、次のように述べた。「競争委員会は、今回の件で自動車市場に公正で自由な競争があるかどうかの議会の判断を待っている。」
また同委員長は、このように語った。「競争委員会の自動車価格値上げ決定規定では、自動車の品質が低下すると生産者には罰金が科せられ、品質向上が認められると表彰される。」
同氏は続けて「自動車の品質は、ほとんど向上していない。自動車メーカーは、増産の傍ら、品質向上を行うよう勧告されている。」と述べた。また同様に、競争委員会の判断ではどの自動車メーカーが優れているのかという質問に対する答えとして、「我々の規定に従えば、イラン自動車(IRAN KHODRO社)がサーイパー(SAIPA)社と比較してより品質を向上させていると言える。」と述べた。
競争委員会委員長は更に、中国車が現在、国内自動車市場のシェアの多くを占めていることに触れながら、次のように述べた。「国内の自動車メーカーは品質を向上させ、自社生産に向けた多くの選択を考慮に入れるべきである。中国人は、人々が外観で気に入るような自動車を製造しているが、その品質は国産車の品質に達していない。
シーヴァー氏はまた、輸入車の価格設定も競争委員会が管理しているのかいう質問に対して、「このような事柄は、競争法に基づいて決定される。」と答えた。
彼はまた、核合意が自動車価格に与える影響について発言した。「核合意は、工業全体に影響するだろう。それと言うのもこれにより、海外送金と資金移転が容易になり、さらに制裁を課されることを恐れつつも、イランに部品を輸出したいと考えていた海外の優良部品メーカーと関係を築くことになる。またより多くの海外の自動車メーカーがイランと契約を結べるようにもなる。」
競争委員会委員長は、自動車市場の競争に関する問題に関しては、議会との協議を必要しない点を強調しながら、このように言及した。「競争委員会は、この問題を議会に要求し、議会が当委員会に必要な説明を行うのを待っている。」シーヴァー氏は、更に次のように述べた。「核問題が合意に至った場合、より多くの海外自動車メーカーが国内メーカーと契約を結び、これにより国内自動車市場が不公正な競争から公正なものへと変化するだろうと予想している。」
競争委員会委員長は加えて、同委員会における銀行や保険に関する委員会の設立について述べた。「保険委員会は、独占問題を調査すべく設立されており、将来的には銀行委員会も設立される予定である。」彼はまた、6億5千万ユーロの事件ファイルについてこのように述べた。「この事件ファイルは、専門家による調査の過程にあり、その後に競争委員会で調査が行われる。」
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翻訳者:BU
記事ID:37771