国際エネルギー機関のファティ・ビロル事務局長は、「もし状況が許せば、イランは日量約50万バレルを石油市場に上乗せしてくるだろう」と述べた。
イラン学生通信(ISNA)はロイター通信から引用し、「国際エネルギー機関のビロル事務局長が、『石油市場は、西暦でいう来年までに飽和から均衡状態に回帰するだろう』と述べた」と記している。
同事務局長は、「もし深刻な経済不況が起こらなければ、西暦でいう来年には、石油市場は供給過剰状態から脱却をして安定するだろう」とつけ加えた。
ビロル氏は、「2年前、石油価格の下落が原因となって石油生産業への投資が40%減少した。米国、カナダ、南米そしてロシアにおけるこの減少の著しさから考慮すると、中東の石油に対する世界的つながりは、来る数年間でより一層増えていくことになるだろう。」と述べた。
ビロル氏は、日本の安倍晋三首相との東京での会談の後に、「我々は今年、非OPEC諸国において、過去25年間で最大級の日量70万バレルに達する減産が見られると期待している。それと同時に、石油の世界的需要が大きく高まり、インド、中国などの新興国の経済が発展する」と語った。
彼はまた、「石油市場と石油価格は、今年の終わりか2017年の初めには均衡化すると期待している。需要と供給、そして備蓄全体を通して市場の基盤に目を向ければ、深刻な経済危機がなければ、西暦2017年には石油市場の均衡を見ると我々は信じている」とした。
ビロル氏は、以下のようにも述べている。「石油価格が1バレル=45米ドル以上に回復したにも関わらず、米国のシェールオイル生産者の経営は、非常に困難なものとなっている。」
彼は、「この45ドルという価格によって、世界の全産油業者が一息つくことができたものの、この価格では米国のシェールオイル産業全体に利益を与えるには少なすぎると思われる」ともコメントした。
ビロル事務局長は、「おそらくイランの石油輸出量は今年、日量50万バレル増加するだろう」と述べた。
彼は、「条件が許せば、イランは日量約50万バレルを石油市場に加えていくことになるだろうと考えている」とも指摘した。
とある情報筋は、イランの石油外交に対し以下のようにコメントしている。「イランは自国の石油市場シェアを取り戻すことを決意し、いまだ低価格に耐え続けている。なぜならば、過去には石油を1バレル=6ドルという価格で売っていたこともあるからである。」
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翻訳者:EK
記事ID:40421