OPECは原油減産合意に基づき、間接的にヨーロッパ諸国にその利益を譲渡した。
イラン学生通信(ISNA)の報道によると、複数の調査が示しているのは、原油供給の削減に関する原油生産者の合意により、ヨーロッパにある旧式の精製所が市場競争力を高めるということだ。
ロイター通信社は、ロンドンから以下のように報じた。「石油輸出国機構(OPEC)の加盟産油国・非加盟国間の供給削減に関する合意の予期せぬ結果の一つとして、軽質油[訳注:硫黄の含有率が低い原油、ヨーロッパの北海油田の原油がそれに相当する]供給の増加に伴い、そのほとんどが重質油[ペルシア湾岸諸国の油井から生産されるほとんどの原油]を使用する他地域の新しい精製所に対して、ヨーロッパの旧式精製所が競争力を増加させることが挙げられる。
ヨーロッパの[旧式の]精製所は、以前から、中東・アジア・アメリカの新しい精製所との競争に負けるのが決定的であると見込まれていたが、今や好機を最大限に活用し、石油製品需要の高まりと、自分に都合の良い良質な原油[軽質油]の供給を享受している。
調査会社のJBCエネルギーのデヴィッド・ウェッチDavid Wech代表は、このように述べている。「ヨーロッパの精製業者は、OPECの合意により良好な立ち位置を確保した。市場から排除された原油供給の内容が、アジアの精製業者が必要とする種類の原油[重質油]であったからだ。」
オランダのロッテルダムにおけるブレント原油1バレルあたりの精製部門の利益は、現在1バレルあたり7ドルに達し、西暦2017年第1四半期平均と比較して50%上昇している。
ヨーロッパの精製部門の利益上昇原因の一つは、OPECの原油供給削減の多くが、複雑な構造の精製所で取り扱われる重質油に関係することあったためである。ヨーロッパには、重質油に対応する精製所が存在しない。
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翻訳者:MS
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