イラン原子力庁報道官「原子力発電推進計画を開始する」

2017年10月30日付 Jam-e Jam 紙

 イラン原子力庁ベフルーズ・キャマールヴァンディー報道官は、「イラン原子力庁の行動計画に原子力発電推進の実施が盛り込まれた。本件は、アメリカのイラン制裁への対策法(米国対策法)の中でも触れられ、開発予算が割り当てられている」と述べた。

 メフル通信によれば、キャマールヴァンディー氏は出版展を視察した後の記者会見で次のように述べた。「おそらく我が国は内製能力向上とともに、原料を自国で調達できるようになる。また米国対策法の中で、2千億リヤール(およそ6億4千万円)がイラン核産業の発展のために割り当てられるとし、原子力庁は計画と予算を発表し、原子力発電推進に関して必要な配分を行うことを予定している。」

 また「イラン暦1396年[訳注:2017年3月-2018年3月]から[ウラニウム]鉱山開発の開始が予定されている。もちろん、この分野では海外からの資源を利用する必要もある。それについては原子力庁が担当する」と強調した。

 彼はまた「原子力庁は、米国対策法と最高指導者事務局から課された条件を進めており、最高指導者事務局から課された条件の一つは、包括的共同作業計画(JCPOA)実施のために強力な管理委員会を組織することであった。この委員会は、原子力庁から報告を受け取っている」と述べた。

 キャマールヴァンディー氏は、管理の一部についてメディアに公開されていないという発言に対し、「管理委員会は報告を精査しており、国家安全保障最高評議会も本件を審議しており、最終的に重要な決定が採択される。一部の者が、外務省や原子力庁に個別に行動させるべきと考えているようだが、それは誤った考えである」とした。

 同報道官は、「原子力庁は、国家安全保障最高評議会の決定の遂行者である。例えば、とある動きに対してどのような措置が取れるのか本庁の管理体制を公表する」と強調した。

 キャマールヴァンディー氏は、原子炉開発推進に関する議論を過小評価してはならないと述べ、次のように語った。「アメリカ人やヨーロッパ諸国の人々は、イランの原子炉開発計画推進を面白く思っていない。しかし原子炉開発計画は、イラン原子力庁が推進している案件であり、米国対策法の中で言及されており、そのための予算がすでに割り当てられている。」

 また原子力庁報道官は、「原子力庁は、現在この計画を実行に移しているが、20階から30階建てのビルを工事開始から6カ月後にオープニング式典を実施するのが無理なように、1年後にこの計画を進展させるとは言えない」と述べた。

 更に、「本計画の実施には、4~5年の研究調査とシミュレーションが必要とされる工程を経ることになる。[核]燃料や原子炉の分野に関しても複雑な段階を踏むことになる。この計画の調査のために専門家グループによる定例会議が開かれているが、その内容は一般に公開するようなものではない。それに関する全ての情報については、イラン原子力庁のみが公表することができるが、その議論の多くが機密事項であるため、一般公開することは出来ない」とした。

 キャマールヴァンディー氏は、「メディアは、安全保障へ害を及ぼさない範囲で情報を伝え、市民の不満を除去しなければならない」と述べた。


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:NF
記事ID:43856