ブーテフリカ大統領以降は何が起こる?(1)

2019年03月12日付 al-Hayat 紙
ブーテフリカ大統領以降は何が起こる?(1)

【リンダ・タキッディーン:本紙】

アルジェリア政府がアブドゥルアズィーズ・ブーテフリカ大統領を5期目の大統領職に執拗に推薦することの撤回は、今や政府が自国民を嘲笑し「愚か」とみなすことや、ポスターや声明と化した大統領の幻影に投票しブーテフリカ大統領が真の国家の指導者となるよう国民を説得することなど、もはやできなくなったことを証明した。

アルジェリアのデモは、軍人や軍人および大統領の弟であるサイード氏と近しい関係にあるビジネスマンで構成された支配集団にブーテフリカ大統領の推薦を撤回させ、国民の成熟と国民に対する嘲笑を拒否する能力が彼らにあることを証明した。もはやこの(支配)集団は、その半数が50歳未満の若者である国民に、イメージと化した大統領に投票するよう課すことはできない。また、この集団は国民を犠牲にして私益を守るために大統領を利用しているのだ。

現在、つまりこの集団がブーテフリカ大統領の推薦という自らの過ちを悟り、バッシャール・アサド大統領が自国民に対して行ったように武力による弾圧に訴えなかったことを受けて、この質問は聞くに値する。「この撤回後、何が起こるのか?」アルジェリアでは支配集団の意図を疑う者もいる。また、デモ参加者の中にはブーテフリカ大統領の退任だけでなく、政権の退陣をも求める者もいる。政府は大統領選の延期を求める国民の要求に応える決定をし、今後に関することと、ブーテフリカ大統領の後任に関する討議を行う場として今後数か月以内に国民会議を組織すると約束した。

アルジェリアでは、ラハダル・イブラヒーム元外相がこの会議を主導すると噂されているが、市民はデモを続けるかもしれない。なぜなら彼らは、支配集団の存在に疑問を持っているからだ。と言うのも、この集団は選挙を延期し、国民会議を組織し、国民がこの会議でいたずらに時間を浪費することで、ブーテフリカ大統領の任期を延長させたのだ。もしデモが続けば何千人もの犠牲者が出た1988年革命の際に起きたように軍が国民を弾圧する決定を出すことも危惧される。しかし今のところは軍は国民の弾圧を躊躇するかもしれない。なぜなら、それはアルジェリアが長く危うい混沌に足を踏み入れることになるからだ。そして、もうひとつの恐れはイスラーム主義者がこの事態を利用することだ。アルジェリアのデモ参加者は現体制に反対する若者たちであり、彼らの動きは偶発的であり組織立っていなかった。一方でイスラーム主義者はというと、彼らはすでに政権の一部になっている。なぜなら、ブーテフリカ大統領が国民和解を行い、市民社会の運営をイスラーム主義者らが担うことを放置したからだ。このことは、20年前の状況以上にアルジェリア社会に政治的イスラーム思想をより一層広めることにつながった。

(2)へ続く


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翻訳者:松浦葵
記事ID:46528