シリア:イドリブのジハーディストの地が革命最後の地に変わる時(3)
2019年05月31日付 al-Quds al-Arabi 紙
■イドリブのジハーディストの地が革命最後の地に変わる時(3)
【本紙コラム:ワーイル・アッサーム】
トルキスタン・イスラーム党やアンサール・ディーン戦線、ムハージリーン・アンサール軍などのジハーディスト諸勢力が伸長している。その一方で、シャーム解放機構がそれら諸勢力を取り込み、彼らとの調整に成功した。現状、これら諸勢力はシリア政府による最も激しい攻撃の一部に耐えると同時に、活発な戦闘行為の大部分を担っている。また、テロリストのレッテルを張られたこれら諸勢力は、穏健な反体制派が失敗したことにも複数の面で成功した。最も重要なことは、イドリブを和解の取引から切り離し、革命の最後の拠点としてのイドリブを守ったことだろう。それだけに留まらず、彼らは他の諸勢力の戦列が崩壊し、白旗を掲げ、一部の戦闘員が政府軍に加わり、イドリブの前線で殺されたのに対し、高い戦闘の可用性を維持し続けたのである。イドリブに対する政府軍の攻撃は、激しい抵抗を受け、依然として躓き遅れているとはいえ、この攻撃によって政府軍はカフルヌブーダを含む3つの町を奪還した。政府軍は、本攻撃の開始以降、13の町の掌握しつつ進展し続けているが、本稿を執筆中にも、反体制派はそれらの町を奪還すべく新たに攻勢を開始している。だが、こうした試みが、カフルヌブーダ作戦とかけ離れた結果を生むとは予想しにくい。すなわち、反体制派は同町を奪還し、政府軍に大きな損害を与えたが、破壊的な航空支援で強化された政府軍による新たな攻勢の後、同町は再び政府軍の支配下に戻ったのである。
ジハーディストは戦闘を長期化し、政府軍による度重なる攻撃を迎撃できるかもしれない。しかし、彼らの迎撃の影響力は限定的であり、その期間も限られたものになるだろう。イドリブでの戦闘では最終的に政府軍が勝利を収めるだろう。現状、勢力均衡は政府軍を利している。特に我々が議論している紛争当事者が、長年に亘る戦闘で自らの力を経験していることを踏まえると、イドリブの戦闘は、政府と反体制派間の最後で最大の戦闘に相当するように見える。イドリブがシリアにおける武装革命の最後の牙城になったため、ジハーディストが占拠する地域を除けば、反体制派は、もはやアサド政権に対する武力を用いた反対活動を実践できない。他方、ユーフラテスの盾やアフリーンに関しては、イドリブの後に、イドリブと同じように崩壊の末路をたどるシリアにおけるトルコ政府の最後の壁でしかない。
(了)
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翻訳者:馬場響
記事ID:46899