コラム:トルコの外交政策が経済危機脱却の足かせとなっている(1)
2019年09月04日付 al-Hayat 紙
■トルコの経済危機の背後にあるエルドアン大統領の政策
【アンカラ:本紙】
世界のあらゆる国家の政府にとって、経済は国内政策および外交政策と密接に関係する。そしてこのことは、国内政策と外交政策において最も均衡の取れた国々の経済成長からも明らかだ。例を挙げれば、日本やドイツ、アメリカ、そして強靭な経済力を有する他の国々である。
トルコはかつて比較的均衡のとれた対外政策を行っていた時期があり、それはトルコ経済に現れていた。目覚ましい成長を遂げ、産業は賑わい、成長率は高水準となった。さらに輸出割合も同様に高水準に達した。しかし、トルコ政府の外交政策は経済に莫大な損失を招いた。その影響はトルコ市民に非常に悪い形で跳ね返り、その結果「トマト危機」として知られているように、彼らは日々の糧を買うために長蛇の列に殺到した。
とりわけ、トルコ市民に直接影響を与えた損失はドルに対するリラの暴落である。2008年には1.31リラで1ドルに相当したのに対して、2019年では7.24リラでやっと1ドルに相当するのだ。
アメリカの制裁はトルコの経済的損失の最大の要因であったが、ヨーロッパの制裁も発動されていた。EUが「包括的航空協定」を一時停止したことで、トルコは年約50億ユーロの利益に加えて加えて少なくとも4万8000人の雇用を失った。
トルコは未だにアメリカの制裁を克服しておらず、苦しんでいる。それに加え、追加制裁が予期されている。いわゆる「対敵対者制裁措置」法に則ったもので、イランと北朝鮮の経済を破壊したアメリカはその矛先をトルコに向けているのだ。
トルコには経済の抜本的な変革が必要である。そして、トルコは実際に多くのワークショップや改革を行った。しかし、外交政策がその足枷となっている。トルコの政策に対する国際社会の立場やトルコ経済に課せられた制裁は、これらの改革全ての前に障害物のように置かれているのだ。
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翻訳者:伊藤隆
記事ID:47770