■アビー・アハメド首相にノーベル平和賞…シーシー大統領は?
【本紙】
平和・安全保障研究の博士号を持つアビー・アハメド首相は、国内の安定と諸外国との和解への取り組みを並行して進めた。具体的には、1998~2000年に国境戦争を行うなど歴史的に長く敵対関係にあったエリトリアとの和平を実現したほか、今年4月に抗議活動を受けてスーダンのウマル・バシール大統領が放逐された際には、スーダンの紛争両当事者の意見のすり合わせに成功し、市民政府の成立に寄与している。
こうした大きな功績は、政権が入れ替わり得る真の民主国家にエチオピアを変容させるにあたっての大きな障害を解消するわけではない。なぜならアビー・アハメド首相率いる与党連合がいまだ政権を譲らず、国内では激しい緊張や紛争が続いているためだ。こうした事態により、アムネスティ・インターナショナルは同首相に対し、これまでに達成されたものを覆す恐れのある重大な人権問題に対処するよう要請した。
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