■コロナと体制との間で…ラマダーンにおける貧しい人々の空腹
【ロンドン:本紙】
世界中の人々が新型コロナウイルスの感染拡大に苦しむ中、今年も聖なるラマダーン月がやってきた。多くのイスラームの国々において、伝染病とラマダーン月の(同時)到来は専断的な諸体制による苦しみに追い打ちをかける。だが、より苦しむことになるのは、おそらく貧しい人々であろう。彼らは感染の拡大により生活の糧を断ち切られ、当局が外出制限を課したことで糧を求めに出ることも禁じられた。こうした人々の多くは、その日毎に子供たちに食べさせるものをやっと集めている。この世界的な災禍が国内の不正と相まって、一体彼らはどうやって断食を行いつつラマダーン月における自身の状況を乗り越えればよいというのだろうか。彼らの多くが家族を養うお金もないまま、どうやって圧政の苦しみと伝染病の恐怖に向き合えばよいというのだろうか。
隔離措置のため、住む家がある者はこれから家に閉じこもることを余儀なくされる。しかし、これによって実に多くの人々がより深刻な状況下に置かれることとなる。ヨルダンとシリアの国境沿いにあるラクバーン難民キャンプに住む人々にとっても事は同じだ。彼らは包囲され、食糧援助用トラックや保健予防トラックもキャンプへ入ることを禁じられている。医療支援も受けられないまま出産を迎えている女性らに関する記述さえ目にする。シリア北部・東部の他のキャンプやレバノン国内のパレスチナ人・シリア人難民キャンプにおいても、また、ギリシャや国境を封鎖した他の欧州諸国への移住を企図する人々、新たな人生、尊厳、生きる糧を求めて海を渡ることを選ぶ人々にとっても、こうした状況はまた同じである。
(2)に進む