フェミニストの活動がこの土地にある力を私たちにもう一度思い出させた―「現代トルコの政治思想-フェミニズム編」出版
2020年11月26日付 Hurriyet 紙
イレティシム出版社の「現代トルコの政治思想」シリーズは、第10巻をフェミニズムへと割いた。フェリャル・サイグルギル氏そしてナジデ・ベルベル氏が編集者となり準備がなされた様々な世代の80人の女性作家を一堂に会した刊は、「トルコにおけるフェミニズム運動の歴史、オスマン帝国期から今日にまでの女性作家そしてフェミニズムの最新の論争を含んだ、初のものであるという特徴を持つ参照元である。『フェミニズム』の巻について編集者から話を伺った。
約2年半に及ぶ仕事の成果である『フェミニズム』は、イレティスィム出版社の『現代トルコにおける政治思想』シリーズの第10巻として準備がなされた。この巻はトルコにおけるフェミニスト運動の歴史、オスマン朝から今日に至るまでの女性作家とフェミニズムの最新の議論と共に、非常に幅の広い仕事であり、唯一無二のレファレンスである。この巻は同時にトルコにおけるフェミニズムに関する最も幅広く包括的な仕事である。80人の女性の著作を一堂に会した『フェミニズム』の巻が、「女性に対する暴力廃絶のための国際デー」の前日に出版されたというのは、また意味深いことである。この機会に、この巻を形づくることにおいて役割を担い、また仕事の編集を担った学者であるフェリャル・サイグルギル氏と研究者のナジデ・ベルベル氏と語り合った。
現代トルコの政治思想史の第10巻をフェミニズムに関して準備を行うという考えはどのようにやって来たのでしょうか?このアイディアはあなたとどのように出会ったのでしょうか?
フェリャル・サイグルギル:私に提案をもたらしてきたのはイレティスィム出版社のタンル・ボラ氏でした。シリーズの第十巻として「フェミニズム」の巻を考えたという事を伝えました。
ナジデ・ベルベル:シリーズのその前までの各巻は大学の学生時代の最後の頃に出版がスタートしたのです。全ての巻において分散してフェミニスト思想に関しての記事がシリーズの中で位置を占めていたとはいえ、この巻が完成した時には独立したフェミニズムの一巻はありませんでした。このような巻のアイディアを私は出版社と共有をしたのです。アイディアは彼らにとってもホットなものと受けとめられたのです。
2000年代以降フェミニスト意識の向上そしてアカデミックにおける女性の業務の領域が開かれる事と共に素晴らしい文学の蓄積が生まれています。この蓄積に対してのこの刊の貢献はどうなるのでしょうか?
フェリャル・サイグルギル氏:それは時が示してくれるでしょう。参照元であるという特徴の仕事を行おうとしました。私たちの基本的な問題は、この土地における19世紀以降のフェミニズムに関して生み出されたアイディアの数々を目の前に提示することでした。勿論のこと、この思想がどのようにそしてどのような人々によって生み出されたのかということもまた重要性をもっているのです。この考えを作り出す対象の数々を出来る限り表出させること、またどのような道のりを辿ったのか、またどのような困難を乗り越えたのかということを理解することが私たちの目的だったのです。
ナジデ・ベルベル氏:この本はオスマン帝国から今日に至るまで蓄積されたフェミニスト意識の足跡を残す中で今日における結びつきもまた作りあげようとしているのです。各論考は、自身のテーマの中において「過去から今日に至るまで何が、どのように議論がされたのか」ということを明らかに出そうとしているのです。この観点から(フェミニズム)運動、同時にアカデミズムがフェミニズムに関して生み出した成果を整理して提示しようとしたのです。そしてまたフェミニスト運動がこの土地にある力を私たちに再び提示しているということが出来るのです。
作家の大部分が若い世代からですね、これは意識的な選択なのでしょうか?
フェリャル・サイグルギル氏:そうですね、少しばかり意識的な選択となりました。取り分け最近は若い女性たちの非常に重要な仕事の数々があります、そしてこれらが知られることをまたその声が聞かれることを私たちは望みました。
ナジデ・ベルベル氏:各世代間においてバランスのある分配を行おうとしてきました。時には思想のフォローアップを過去の世代に対して、時にはまた今日からはどのようなものと見受けられるのかということを伝えるために今日の各世代に対して書いて伝えようとしたのです。また同じ配慮は都市に関しても提示をしようとしたのです。ただイスタンブル中心の執筆陣にはならないようにと願ったのです。
歴史的なパースペクティブからトルコにおけるフェミニスト闘争に焦点を当てる中で、最新の論争もまた提示をされていますね、これについて少し解説をして頂けますでしょうか?
フェリャル・サイグルギル:私たちの仕事の領域は、そのように政治的そしてイデオロギー的な流れですので自らの中にある議論の数々を(「潮流」、「愛と悦び」、「フェミニズム政策の時」、「私たちの差異を考える時」、「姉妹性」、「家族」、「母性」、「男性らしさに関する研究とフェミニズムの関係」、「アカデミズムとフェミニズムの関係」)以外に、現在に至るまで議論された全ての思想に対して、ディシプリンへ、潮流へ、分野へ、政策(歴史、文学、経済、労働、政治、教育、翻訳、メソッド、芸術、出版、肉体そしてセクシュアリティ、暴力、環境保護運動、リベラリズム、ケマリズム、ナショナリズム、保守主義と勿論のこと左翼と組合)を再び捉えること、議論をおこなうことそして大部分は抵抗することをもたらしています。
そこまでのことは望まなかったにも関わらず、紙面の都合上、掲載できなかったタイトルや作家陣がありました。
ナジデ・ベルベル氏:歴史的な潮流に注意をすることとともにフェミニズムの基本的な議論タイトルに場所を与えようとしました。オスマン帝国、共和国時代に登場したフェミニスト議論と同時に肉体、労働、家族、女性に対しての暴力などといった議論の数々もまた提示しようとしたのです。
本が印刷所から出てきたところを手にした時に何をお感じになったでしょうか?
ナジデ・ベルベル:フェミニストの思想と運動の力を、知性を、興奮を私たちの傍らに手に入れて出発したのです。道のりはかなり込み合いました。80人の女性作家の貢献によって集約的な仕事の産物となりました。私たちがフェミニズムの言葉は私たちの予想よりも多く蓄積されているのを目の当たりにしました。このこともまた私たちを非常に誇らしい思いにさせました。
フェリャル・サイグルギル氏:二年半にわたる仕事の成果です。手に入れると非常に興奮を感じましたし、勿論のこと幸福になりました。
この巻が11月25日女性に対しての暴力に対する国際闘争の日にあたったというのは意図的なものだと思いましたが・・・
フェリャル・サイグルギル氏:実際のところ出版社のカレンダーに則ったものです。しかしながら勿論のこと、11月25日と重なったことはよかったのです。
ナジデ・ベルベル氏:フェミニズムの言葉は、その活動が高まったある月と偶然に重なるということは、私たちにとって意味深い偶然となりました・・・
『フェミニズムー現代トルコにおける政治思想』
全集
企画者:フェリャル・サイグルギル、ナジデ・ベルベル
イレティシム出版社、2020
880頁、110TL
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翻訳者:堀谷加佳留
記事ID:50300