■なぜジハード主義者たちはイブン・タイミーヤに反旗を翻したのか?
【本紙:ファイサル・カースィム】
イランとも関わりがあるシリアの体制側情報筋によると、アメリカはソレイマーニー司令官を暗殺したのは、彼が(彼のために)引かれた一線、ついには、シャーム解放機構(かつての「ヌスラ戦線」)から逸脱しはじめたからだ。
「スンナ派」パレスチナ・イスラーム「抵抗」組織の一部が、イブン・タイミーヤがラーフィド派と見なしたイランから物資的、政治的支援を受けていることを公に認めていることも見逃せない。「イスラーム聖戦」機構は、すでに政治的にも教義的にもイランと密接な関係にあり、前指導者は服装や身だしなみに至るまでイラン人の真似をしたほどだ。
最も危険なイスラーム・ジハード主義集団、つまりアル=カーイダがイランと同盟を組み、イランの主要な手先になっているとポンペオ米国務長官が断言したことで、今、多くの人々は疑問を抱いているだろう。「イブン・タイミーヤのファトワーを最も忠実で厳格に従っていると豪語しているグループが、彼らの宗教的指導者(イブン・タイミーヤ)が7世紀も前に最も危険な集団であると警告したグループとどのようにして同盟を組むことになったのか?」
この疑問に答えるためには、レバノン出身のマロン派の研究者であるナビール・ハリーファ博士の著書『スンナ派という標的』を検討しなければならない。彼は「中東諸国のスンナ派を陥れるためのアメリカ、イスラエル、ロシア、イランによる同盟があり、この同盟がスンナ派を弱体化させ、バラバラにし、国を崩壊させ、イランの中東地域における支配力を強化させている」と主張している。このことは、イランがいわゆるシーア派の三日月地帯を構築して、アラブの5つの主要都市(バグダード、ダマスカス、ベイルート、サナア、アフワーズ)を支配したことで現実のものとなった。
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