国会の強硬派議員への警告 米国は反イラン同盟の結成を画策

2021年02月26日付 Hamshahri 紙

 国際機関ロシア連邦政府代表ミハイル・ウリヤーノフ氏は、ツイッターに「月曜日に国際原子力機関(IAEA)の3月理事会が開始し、イランは再び注目の的となるだろう。一方で、米国は他の理事国に対し、イランの核関連活動の拡大に関して批判を行う決議案を支持するよう要請している。」と投稿した。

【ハムシャフリー電子版】ミハイル・ウリヤーノフ氏は、金曜日ツイッターに「IAEAの35の理事国に共通する責務は、議論がイラン核合意の完全な復活に向けた外交努力に否定的な影響を及ぼさないことを保証することである。理事会はIAEAの意思決定機関であり、IAEAの重要な問題に関する決定を行うために年に数回会合を開催している。」と投稿した。

 この変化と同時に、ある米国のメディアは、同国政府が他の理事国に対し、イランの核関連活動の拡大に関して批判を行う決議案を支持するよう要請していると報じた。

 イランはエスファンド月5日(西暦2021年2月23日)に、議会決議に合致する形で、追加議定書の自発的な履行を停止し、このことはラファエル・グロッシーIAEA事務局長の同席のもと実施された。右決定及びこのようなテヘランにおけるグロッシー事務局長の同席は、安全保障理事会により承認されたものだが、ちょうどその日に、議会決議の実施方法に関し政府に反対する一部の議員たちによる抗議の声が大きくなった。常に反政府的なジャヴァード・キャリーミー・ゴドゥースィー氏やアリーレザー・サリーミー氏は、政府はIAEAとの合意に関し議会に回さなかったと主張した。こうした議員らの声と議会・政府間の不調和は最高指導者からも指摘された。

 大統領府長官であるマフムード・ヴァーエズィー氏は、この国会からの反応について、「国家安全保障最高評議会の事務局において核開発拡大法の施行に関する会議が開催され、ガーリーバーフ国会議長はこの会議に出席したほか、同様にこれに関して議論がなされた国家安全保障最高評議会にも出席した。会議で議決され、最高指導者に確認を得たものは国会議長にも通達された。」と述べた。

 同氏は「国会議長がすべてのプロセスに参加し、我々が施行した法律も決議の内容に基づいていることを鑑みて、国会議長がこれについて議員らに何らかの報告をするものと考えた。しかし、そうはならず、国会もうまく運営されなかったために、国会の威信も秩序も全くないという事態に至った。これほどの悪意や政府と責任者に向けられた非難は正しいものではなかった。」と加えた。

 この変化から一週間もたたないうちに、ラファエル・グロッシーIAEA事務局長は、理事会の開始を前に、イラン核合意にとって今後数週間が重要であるとして「IAEAのイランとの暫定合意は、核合意を維持するために外交的に価値のある機会を与えた」と述べた。

 グロッシー事務局長は金曜日、現在の状況を「もろくセンシティブである」と説明し、核施設に対するIAEAの査察方法の変更[イランによる抜き打ち査察の停止]は、状況改善に向けた措置とはなっていない、と述べた。

 IAEA事務局長の主張によると、この暫定合意をもって信頼が得られ、国際機関の査察官にとって盲点は存在しないだろう、ということだ。

 他方、ある米国メディアは、同国政府が他の理事国に対し、イランの核関連活動の拡大に関して批判を行う決議案を支持するようよう要請していると報じた。

 木曜日、米国の外交官らは、イランの核関連活動に関する米国の不快感が示された書類を配布し、イランに対し、IAEAの査察官と完全に協力するよう求めた。

 この決議案は、「IAEAの成果物に強い懸念を表明」するとともに「イランの協力に関する理事会の深い懸念も表明」している。

 ブルームバーグ・ニュース・チャンネルのウェブサイトは、同メディアが3ページからなるこの書類を目にしたと主張した。米国国務省当局者は、このことに関する見解を述べることを控えた。ヨーロッパの2人の当局者はそのような書類を受領したことを確認し、内容を確認 中であると述べた。

 米国は、この書類でも同様にイランが核兵器を獲得しようとしているとして非難している。[右書類において、]「世界は、イランが過去に核兵器を入手しようとしていたことをずっと前から知っている。」[と述べている。]

 ブルームバーグは、イランが不完全な情報を提出するとのそのような主張の提起は、イランの核計画事案を国連安全保障理事会に再度付託するというような深刻な結果をもたらしうる、と記している。

 米国当局の発言及び制裁の解除への躊躇を考慮すると、米国は国際機関における反イラン同盟の結成をもくろんでいるようにみえる。


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:TR
記事ID:50771