どの候補者によるフィルタリング反対の主張が真実か?(2)
2021年06月14日付 Hamshahri 紙
―(1)の続き―
・クラブハウス[音声SNSアプリ]の奇妙な事例
2021年には、イランの2名の有力なアプリ運営者が、インターネット上でのクラブハウスのプラットフォームへのアクセスを規制された。通信省に陳情が寄せられているにもかかわらず、未だ誰もこの問題についての調査を行っていない。通信省は2か月ほど前、運営者らがクラブハウスにおいて意図的に混乱を招いた違反行為は確たるものであり、その文書や証拠も通信規制庁(CRA)のサイトにおいて一般に公表され、司法府に送付されたと発表した。内閣は、運営者らに対する多額の罰金を閣議決定しさえした。前例のない驚くべきフィルタリング方法に対しても、様々に責任ある立場にある今回の大統領選の候補者らはいずれも、何の対処もしなかった。
・テレグラム:法令によるフィルター
本紙紙面によると、イランには4500万人超のテレグラム利用者がいるにもかかわらず、文化・メディア検察庁予審判事ビージャン・ガーセムザーデ氏の判決によりイラン国内すべての人に対しフィルタリングがされてから、3年以上になるという。この判決の1年後、判決を行った同判事は汚職容疑で逮捕され、10年の収監を言い渡された。しかし、通信大臣の発言によると、テレグラムのフィルタリングに関する司法の見解は変化していないため、国民に多くの問題が生じているにもかかわらずテレグラムに対するフィルタリングは継続されている。社会の実情としては、テレグラムのフィルタリングにもかかわらず、期待を寄せられていた国内のメッセンジャーのいずれもが、何十億もの貸付と無料のサーバをもってしても人々を広く満足させるものにはなりえなかったというところだ。この問題は、社会で多くの人々の間に広まっているテレグラムとフィルターブロック[フィルタリングをかいくぐるために使われるアプリケーションのようなもの]の利用に加え、ワッツアップというメッセンジャーに注目が集まる契機となった。
・インスタグラム:フィルタリングの宙ぶらりんな剣
世界的に人気のあるSNSのうち唯一フィルタリングされていないのが、インスタグラムである。とはいえ、フィルタリングの剣の影は常にこのプラットフォームのそばに忍び寄っている。今年のオルディーベヘシュト月[西暦2021年4月21日~5月21日]には、テヘラン州裁判所司法担当副長官のうちのひとりであるジャヴァード・ジャヴィードニヤー氏より、インスタグラムのフィルタリングに関する文書が出されていたことが明らかになった。ほどなくして、司法府メディアセンターは、この文書は無効となり元検事副総長が起訴されたと発表した。この起訴の判決は未だ言い渡されていない。しかし、インスタグラムに対するフィルタリングの命令は長期にわたり停止されているものの、いつでも始動する可能性がある。4か月前にも、モハンマド・ジャヴァ―ドアーザリー・ジャフロミー通信相が、司法府により同氏が法廷に呼び出されたと発表した。同閣僚の容疑のひとつは、判決を差し置いてインスタグラムをフィルタリングする目的の法令の施行を拒否したことにある。
・大規模フィルタリング法案への署名
第13期大統領選候補者たちや彼らに近しい人物らによる署名は、潜在的に外国のサイトやアプリに対する広範なフィルタリングの原因となる法案にみられる。現在に至るまで、インターネットの問題と通信に関する複数の法案が、第11期議会において提出されている。中でも最も物議を醸していると思われるのが、「インターネットにおける利用者の権利の保護およびソーシャルメッセンジャーの整備」と題する法案である。昨今再び耳目を集めているこの法案は、利用者の個人情報の確保やメッセンジャーの法的代理としてイランの会社を指定すること、またVPNの使用禁止、違反者に対する罰則規定といった点を強調している。
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翻訳者:HA
記事ID:51243