イラン税関は、イラン暦1400年第1四半期[西暦2021年3月21日〜6月20日]のイランにおける対外貿易統計を発表した。公式の最新統計によると、今年第1四半期のイランにおける輸出額のうち、73%を5か国が独占していた。中国・イラク・アラブ首長国連邦・トルコ・アフガニスタンの5か国は、イランの輸出においてドル建て金額ベースで73%、重量ベースで74%を占めていた。
ハムシャフリー紙によると、過去10年のイランの貿易が特定の数カ国に限定されたのは、経済制裁とそれに伴う銀行と金融システムの封鎖の結果である。対外貿易におけるイランの不利な状態は、昨年のホルダード月[西暦2020年5月21日〜6月20日]にイスラム立法議会研究センターが報告書の中で、イランの輸出は、貿易相手国4か国と不均衡な状態にあると警告していた中で起きた。これはイランが対外貿易黒字を維持している国は少なく、ほとんどの国に対して赤字となっていることを意味している。
イスラム立法議会研究センターの報告
イスラム立法議会研究センターの報告によると、1380年[西暦2001年3月21日〜2002年3月20日]において、イランと貿易関係を結ぶ163か国の中で8か国(貿易相手国全体の9.6%)がイランの非石油部門輸出総額の半分以上を占め、その半分未満が残りの155か国からであった。また、同研究センターは次のように報告している。非石油部門におけるドル建て輸出額は、1380年から1397年[西暦2001年3月21日〜2019年3月20日]の間に、42億ドルから447億ドルへと増加した。非石油部門のドル建て輸出額は17年間で10.6倍となり、年平均成長率は16%に達した。最多の輸出国数は1387年[西暦2008年3月21日〜2009年3月20日]の170か国であり、最少は1393年[西暦2014年3月21日〜2015年3月21日]の140か国である。しかし全体的な動向として、貿易の対象となる国や市場の数は、近年減少傾向にある。そのため、アラブ首長国連邦・中国・イラク・韓国の4か国の輸出総額は、1397年におけるイランの輸出先145か国の輸出総額を上回っており、この比較的強い輸出市場への集中は、我が国の脅威と見なすことができる。特に、イランにおける対外貿易の傾向として、非石油部門の輸出拡大を狙ったことで、徐々に一部の国へと貿易が集中してきた。そして、それ以外の国との貿易関係は、依然として広がりを見せていない。
税関の公式報告
イラン関税局長セイェドメフディー・ミールアシュラフィー氏は次のように述べている。「今年第1四半期のイランにおける非石油部門輸出量は、前年同期比69%増となった。また、同期のイランにおける対外貿易量は、209億ドルに相当する3840万トン、重量ベースでは70億ドルに相当する770万トンと、前年同期と比べて増加した。」
イラン関税局長によると、今年第1四半期のイランにおける対外貿易成長率は、前年同期比で相対的に改善し、対外貿易量は増加傾向にあるようだ。しかし、前年第1四半期において、新型コロナウイルスによる制限や国境閉鎖、イランの貿易相手国での検疫により、対外貿易量が大きく減少したことを忘れてはならない。同局長は「今年第1四半期の貿易収支は4億7600万ドルと黒字であった」とし、「今年第一四半期の対外貿易統計を前年同期と比較すると、イランと他国間の輸出入は、重量ベースで25%増、金額ベースで50%増となったことが分かった」と述べた。
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翻訳者:RH
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