ウィーン協議におけるイラン側の要求はどのようなものであったか?(1)

2021年12月05日付 Jam-e Jam 紙

 ウィーン協議のイラン交渉団は完全にJCPOA[イラン核合意]の枠内にある2つの文書を提出した。文書は前6回の協議での合意草案を踏まえつつ、JCPOAの明白な違反項目を修正し、いくつかの項目を加えたものであった。

【ジャーメ・ジャム電子版】ファールス通信によると、先週オーストリアを開催国として首都ウィーンのコーブルクホテルで、イランと4+1か国(ドイツ、フランス、イギリス、ロシア、中国)間で新たな協議が開催され、第13期イラン政府の新しい代表団が米国の制裁解除について話し合った。

 第12期政府では、今年のファルヴァルディーン月[注:2021年3月21~4月20日]中旬からホルダード月[注:2021年5月22日~6月21日]末にかけて、アメリカが合意から脱退しヨーロッパ諸国が計画について約束を反故にした後、JCPOAの再開に向け6回の協議が行われた。現実としてアメリカの妨害はあったものの交渉については進展があったと報じられたが、実際には成果を得ることはできずイランに新政府が発足すると、交渉は新政府の調査が行われるまで中断した。

 最後に、当期間中アリー・バーゲリー外務次官とJCPOA合同委員会のコーディネーター、そしてロシアと中国との協議が行われた後、アーザル月8日[注:11月29日]に協議の開始が報じられ、バーゲリー次官が率いるイランの新代表団もまたアーザル月6日にウィーンへ出発した。代表団の構成は合意へのイラン側の強い意志を示したものであり、言うまでもなくイラン国民への制裁を効果的に解除する好ましい合意を目指すものである。

 一方、サイード・ハティーブザーデ外務省報道官はJCPOA合同委員会の開催前に、週ごとの定例記者会見で以下のように述べた。「アメリカがこれまでの(全6回の)協議で成果をもたらすことが出来なかった要因である行き詰まりや問題を解決するという意思を持ちウィーンに来て、その時点から協議を始めるならば、間違いなく交渉はより容易な道をたどるだろう。そして、もしアメリカが以前の態度を続けるのであれば、間違いなくイランには多数の選択肢があるだろう」。

 イラン代表団はウィーンでのこの数日間、出席した交渉団と二国間および多国間協議を行い、合同委員会の会合で制裁解除のための作業部会を形成することが決定された。その後、専門家レベルでの核に関する作業部会が開かれた。最後に、水曜[注:12月1日]の夜イラン代表団が制裁の解除と核問題についての2文書をアメリカ側に提出したことが発表された。バーゲリー次官はこの文書の提示を協議におけるイランの深刻さを表すものだとした。

 協議冒頭、バーゲリー政務担当外務次官はアメリカのイラン国民に対するすべての非人道的で暴力的な制裁の全面的な解除が必要であることを強調し、「アメリカによる最大圧力の制裁が息づく限り、JCPOAの再建は戯言に過ぎない。」と述べた。

 ホセイン・アミールアブドッラーヒヤーン外相はアーバーン月5日にテヘランで行った最初の記者会見で「我々は膠着状態から交渉を始めたくはないが、ウィーン協議で作られた形式を受け入れる。」と述べている。

―(2)に続く―


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翻訳者:SK
記事ID:51997