イランの問題を安全保障理事会に付託する可能性はあるのか?〜国際問題専門家ラフマーン・ガフレマーンプール氏インタビュー(1)

2022年08月10日付 Hamshahri 紙

〜交渉における最近の米国および欧州当局の姿勢の背景/イランから欧州へのエネルギー輸送における主な3つの障害〜

 国際問題の専門家であるラフマーン・ガフレマーンプール氏は、もし9月の[IAEAの]会合までに交渉が決着せずより良い方向に進展していなければ、米国や欧州の側がイランの問題を再び安全保障理事会に付託する可能性があるとみている。

【ハムシャフリー電子版−ファターネ・アハディー】今回の交渉期間の終了に伴い、ボレル氏(=ジョセップ・ボレルEU上級代表でイラン核合意共同委員会調整役)はそのプロセスを肯定的に捉え、交渉の相対的な進展を発表した。しかしながら、この相対的な進展は、交渉の双方がJCPOAの新草案を受け入れたことに基づいているのか、あるいはそうではないのかを確認する必要がある。この点についてある国際問題の専門家は、起案された文書が公表されていないことを鑑みれば、結果としてジョセップ・ボレル氏の言う新草案が以前の草案とどの程度同じなのか異なるのかは定かではないとした一方、新草案はバイデン米大統領の中東訪問およびイスラエルを含む地域の同盟国との会談の後で作成されたことは間違いないと考えている。ガフレマーンプール氏はまた、EUはその限界により、交渉において建設的な役割を果たせないことも強調している。

 以下は、本紙が国際問題の専門家ラフマーン・ガフレマーンプール氏に行ったインタビューの内容である。

Q直近の交渉は相対的に進展し肯定的に評価しているというボレル氏の発言について、同氏が提示した草案に基づき交渉は進展したのでしょうか?この点に関する見解をお聞かせください。

A 起案された文書が公表されていないことを鑑みれば、結果としてジョセップ・ボレル氏の言う新草案が以前の草案とどの程度同じなのか異なるのかは定かではありません。しかし明らかなのは、この新草案がバイデン米大統領の中東訪問及びイスラエルを含む地域の同盟国との会談の後に作成されたことです。したがって、新草案はバイデン氏がイランに外交圧力をかけるために連合体を形成したその方針に沿うものでしょう。つまり、米国がイランの核兵器入手を阻止する責務を負い、外交連合の形成を通じてそれを実現することを示したのです。この行動は、間違いなく米欧の協調のもとに準備された、米国の政策の重大な目標の一つであると私は考えています。

Q 現在ロシアはJCPOAで何らかの役割を果たしているのでしょうか。

A ロシアは短期間、とりわけライースィー政権発足後の短期間を除き、JCPOA交渉において役割をそれほど果たしていないと言えます。おそらく欧州と米国にその意向がなく、またロシア自身も役割を果たせないと感じていたからでしょう。ウクライナ戦争開戦以前およびイランでのライースィー政権発足後の僅かな期間に限り、ロシア政府の役割は若干顕著なものとなり、この状況においてウリヤノフ氏(=ミハイル・ウリヤノフロシア在ウィーン代表部)の果たした役割は非常に重要になりました。彼の立て続けの発表と絶え間ないツイートは、イラン核交渉チームの相対的な沈黙とは対照的に、ロシアがJCPOA交渉で主要な役割を果たしているというイメージを生み出しました。
 また実際の所ロシアはこの問題において深刻な限界があり、米国と欧州側の不信感に直面しているとともに、政府が期待する枠内でこの問題にアプローチしようとしています。
 したがって、こうした構造的障害により交渉におけるロシアの役割は常に限定的なものにとどまっているのであり、ウクライナ戦争が開戦しロシアがウクライナ問題に関与するようになると、当然、JCPOA問題に費やすためのロシアのエネルギーは減少しました。

〜(2)に続く〜


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翻訳者:OK
記事ID:53938