瓦礫の下に人がいる今この時に、与党は建設、建設と叫ぶ
2023年02月15日付 Cumhuriyet 紙
カフラマンマラシュを震源地とする2つの地震はトルコを崩壊させた。どの家でも、悲しみの声は大きくなる一方である。死者はまだ続いている。この危機的な状況をコントロール下におけない政府は、説明を果たす代わりに建築に執心している。月末までに被災地で建物の再建がスタートされることが発表された。専門家は「まず有識者とともに、計画を立てねばならない」と警告している。
カフラマンマラシュを震源とし、10県に影響を及ぼした地震の被害調査について、ムラト・クルム環境都市気候変動大臣は最新の情報を共有した。また、1年以内に新たな住居が提供されると述べた。
エルドアン大統領は、災害緊急事対策庁(AFAD)の本部で閣僚会議を行う前に、被災地復興に関連して、「今の目標は1年以内の住居を再建し創生することである」と述べた。
この発表は、約10県の範囲にわたり、1300万人以上の人々に影響を及ぼすプロジェクトが、科学的(に安全かどうかの)条件を満たしているか、という問題を提起した。この会見の後、専門家たちは、科学的データに配慮すること、必要な段階を踏むことなくプロジェクトを始めるべきでないと強調した。
■「宙に浮く言葉」
本紙にコメントした建築技師協会会長のタネル・ユズゲチ氏は、「私はこのようなコメントを、政治的なメッセージと判断する。なぜならば、まだ(被害及び再建の)全体像が明らかではないからだ。深刻な被害を受けた建物がどれくらいあるのか、まだはっきりとしていない。何棟の建物が再建されることになっているのか、これも明らかになっていない中、1年以内に完成させるという言葉は宙に浮いている。何をする予定なのか政治家自身も理解していないことを、1年以内に完成させるのは不可能だ」と話した。続けてユズゲチ会長は、以下の点を強調した。
■「計画のない都市はあってはならない」
「事態は新たな都市の創造であり、そのために新しい都市計画が必要とされている。すぐ3日間でできるようなことではない。大統領が何を意図しているのか、我々には理解しがたい。計画のないまま(都市再建が)始まれば、不備な都市が現れかねない。都市計画のない都市はありえない、ということを強調したい。たとえ政府であろうが、勝手にあちらこちらにと建設しようなどと言ってはならない。無計画な都市でよいのか。」
■「崩壊と死がもたらされる」
地質学者のナージ・ギョルル氏は、この件に関して、この国が真に採るべき地震対策の重要性を強調した。ギョルル氏は「信憑性のない方法で選んだ場所に建物を建てれば、今回と同様再びビルの崩壊と人々の死につながるであろう。エルドアン大統領は、人道的な理由ですぐにでも国民に家を提供しようと意図して(1年以内の再建について)言っているが、これは間違っている。微細な現地調査が行われないまま、地球物理学・地質学・地震学上の調査をせず、地震のパラメータを作らずに、このような建設活動は始めてはならない。」と述べた。
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翻訳者:章由実
記事ID:55037