被災地域で家畜が危険な状態
2023年02月15日付 Cumhuriyet 紙
トルコにいる家畜数の15パーセントは地震が襲った10県にいる。地域の畜産者たちは、水や飼料の欠乏に苦しみ、電気もない。搾乳できず、搾乳したものも、ちゃんとした値がつかない
カフラマンマラシュ県エルビスタン郡セヴデッリ村では、厩舎が壊れ、100頭の羊を外に置いている農民は、「必要な人が羊を買ってほしい、そうやって地震被災者を助けることになる。氷点下20度の外にいたら羊は凍えるだろ。飼料もないし、どうすればいいんだ」と苦しみを訴えた。まずは人命というのは当然だが、多くの村で何百頭の家畜も瓦礫の下で、生きている家畜も身を寄せる厩舎も、飼料も、水もない。多くの村は停電しており、乳を絞ることができない。搾った牛乳もちゃんとした値がつかない。家畜は搾乳よりも屠ることになろう。
地震被災地域では多くの畜産者たちも同じような状況である。現在、被災地域で生き残った農民たちは、自分達のことだけでなく、家畜のことも考えなければならない。厩舎が崩れたため、緊急に家畜用のテントが必要である。多くの畜産者たちは、無料同然で家畜を売り、被災地を離れようとしている。
トルコ統計協会の2022年のデータによると、地震が襲ったカフラマンマラシュ、ハタイ、アドゥヤマン、マラティヤ、ガズィアンテプ、アダナ、ディヤルバクル、キリス、オスマニエ、シャンルウルファで200万頭の牛、910万1000頭近い羊ほかの家畜がいる。10県で総数1115万3000頭がいるのである。この数字はトルコ国内の家畜数の15%に当たる。
■家畜に水がない
エルビスタン農業組合のメフメト・アリ・ブルト会長は、「現在、多くの村で電気、水がない。家畜は水を飲めていない。この辺では深夜には氷点下15-20度に気温が下がる。家や厩舎が壊れた人々は家畜を売ってこの地を離れたいと思っている。エルビスタンでは人々の暮らしは終わってしまい、どこに行って食い扶持を得るのだろう。昨日この地域に飼料が送られてくるはずだったが、何もない。本当に非常事態が宣言されたのなら、農民、畜産をやっている人に寄り添ってほしい。これを機会とばかり狙う者たちを許してはならない」と語った。
全牛乳・肉・種牛生産者協会(TÜSEDAD)のセンジェル・ソラクオール会長は、「[トルコの]西側の機会主義者が3万リラの家畜を3千リラで買って連れて行く」といった情報を多く聞いていると訴え、「どうか、無料同然で家畜を売らないでほしい」と警告した。同会長は地震被災地域で畜産業と関わる次のような問題を語ってくれた。
「厩舎が壊れたので、緊急に家畜用のテントと飼料が必要だ。どうか、機会主義者の活動を許さないでほしい。家畜を売りたいなら私たちに連絡してほしい。屠殺場で話し合い、家畜を相応しい値段で購入している。私たちの問い合わせセンターには本当に数多くの情報が寄せられている。必要な農家の方には機械、搾乳機、飼料を送っている。」
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翻訳者:トルコ語メディア翻訳班S
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