キプロス代表団が全員死亡のアドゥヤマンIsiasホテル、違反建築の惨状
2023年02月17日付 Cumhuriyet 紙
アドゥヤマンのグランド・イスィアス・ホテルでは65人が死亡した。TUREB(旅行ガイド協会)に所属するガイドとガイド候補者、それにKKTC(北キプロス・トルコ共和国)から来た一団らが地震発生時に滞在していたホテルの倒壊に関する報告が公開された。報告では「建物周辺の瓦礫を詳しく調査したところ、コンクリートの品質が明らかに低く、砂利や砂が使用されていたことが判明した」とされている。
カフラマンマラシュを震源とした2つの地震により倒壊したアドゥヤマンのグランド・イスィアス・ホテルでは、ガイド30人とKKTCの学生・教師・聖職者保護者が死亡した。
東アナトリア大学建築工学部は、イスィアス・ホテルに関する調査の結果を公開した。東アナトリア大学建築工学部の教授陣(セルハン・シェンソイ教授、オズギュル・エレン教授、ウムト・テュルケル教授、エリシュ・ウイガル准教授、メフメト・C・ゲネシュ准教授)により、7ページのレポートが作成された。
■ 文書は非公開決定
メフメト・C・ゲネシュ准教授は、倒壊現場での調査の後アドゥヤマン法務局に向かい、イスィアス・ホテルに関する捜査を進めている共和国検察のK・K氏と面会した。K・K氏は、捜査が始まり、専門家が必要な調査と特定を行い、6つずつのコンクリートと外壁の欠片をサンプルとして持ち帰ったと述べた。報告には、文書は非公開とされた、と記されている。
報告には「この建物が倒壊した理由は地震の大きさではなく、間違った設計ならびに/もしくは建築である」と記されている。
■ 砂利や砂が使われていた!
「建物周辺の瓦礫を詳しく調査したところ、コンクリートの品質が明らかに低く、砂利や砂が使用されていたことが判明した」とするこの報告では、次のように述べられている。
「砂利の大きさを調査すると、多くの場合この種の建造物で使用されるコンクリートにおける最大サイズよりも大きく、コンクリートに含まれる砂利や砂の分散度合いが良くなく、手で簡単にバラバラにできることがわかった」
報告には「基礎部分や柱が5階建ての仕様で建てられているこれらの建物は、正しく建てられていないということがわかった。階層を上積みしたことは重大な誤りがあり、建物が最小規模の地震でも倒壊する危険があったということがわかった」と記載されている。
■ 「明らかな殺人」
倒壊したホテルから救出されたガイドのアブデュルサメト・サルタシュさんが、ジュムフ0リエット紙のインタビューに応じた。
サルタシュさんは次のように述べた。
「私は2月6日の地震で、アドゥヤマンのグランド・イスィアス・ホテルで被災したガイドのうちの1人だ。建物が倒壊した3時間後に自力で脱出することができた。あの日以降、ホテルの構造上、適切でなかった、あるいは適切に作られなかったことに関する多くの言説を全てチェックしている。しかし、専門的な調査の結果として出された報告を見たとき、アドゥヤマン・グランド・イスィアス・ホテルでの惨劇が、明らかな殺人であることが、はっきりした。建物が建設されたときに明確な規定を守らず、規定違反にも関わらず建設を認め、安全検査に失敗し、ホテルで人々が死亡した原因の連鎖に関わった全ての人が公正に裁かれることが必要だ。これらの人々が最大の刑罰を負うことが、地震による犠牲者に対する少しばかりの弔いになる。」
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翻訳者:神谷亮平
記事ID:55051