ハタイのルネサンス・レズデンツで今なお80人、行方不明
2023年03月11日付 Cumhuriyet 紙
ハタイ、アンタキヤ郡で地震で倒壊したルネサンス・マンションの瓦礫撤去作業の甲斐なく、メフメト・シュクリュ・インジリ氏(39歳)とその父方の叔母のメヴリュデ・ユルドゥズ・インジリ氏(60歳)は発見されていない。メヴリュデ・ユルドゥズ・インジリ氏の兄ムスタファ・ケマル・インジリ氏は、ルネサンス・マンションには自身と同じ状況の大変多くの人々がいると明らかにし、「ルネサンス・マンションには未だに発見されていない80人以上の人々がいます。」と話した。ルネサンス・マンションで発見されていない人の中に[ハタイ担当大使の]デヴリム・オズトゥルク氏もいる。
カフラマンマラシュを震源とする地震でハタイ、アンタキヤ郡のルネサンス・マンションは倒壊した。倒壊した建物から多くの遺体が見つかった。この建物に住むハタイ・スポーツ所属のサッカー選手クリスチャン・アッツ氏と[ハタイ・スポーツ]スポーティブ監督のタネル・サヴト氏も亡くなった。
マンションの瓦礫は撤去されたがA2棟に住むメフメト・シュクル・インジリ氏とメヴリュデ・ユルドゥズ・インジリ氏は発見されていない。[メヴリュデの兄に当たる]ムスタファ・ケマル・インジリ氏は行方不明の親族を墓地、病院で探したが結果が得られなかった事を明らかにし、「妹のメヴリュデ・ユルドゥズ・インジリとジェミレ・インジリ、甥のメフメト・シュクル・インジリはルネサンス・マンションに住んでいました。私は地震後すぐにハタイに行きました。2日目に妹のジェミレは生きた状態で瓦礫から救出されました。最初にハタイで治療を受けました。その後アダナに搬送されました。そこから救急の飛行機でアンカラに搬送されました。生きていることをそこで知りました。神様のおかげで彼女の状態は良いです。ですが他の親類は未だ状況がわかりません。」と話した。
■「何をしても見つからない」
インジリ氏はルネサンス・マンションのA2棟で瓦礫撤去が終了したと話し、以下のように語った。
「瓦礫の撤去作業は終了しましたがもう一人の妹と甥の事はわかりませんでした。上階の隣人と話しましたが瓦礫から私の親類の声を聞いたと言っていました。[救出された]ジェミレも地震が起きた時に3人とも同じ部屋にいたと話しました。私達はこの情報から彼らが生きて救出されると信じました。ですが何をしても見つからない。街にある全ての墓地に行きました。そこで全ての写真を一枚づつ見ました。ハタイ、アダナ、メルスィン、イスタンブル、アンカラに所在する、わかる限りの病院に聞きました。DNAのデータも渡しましたが、何もわかりませんでした。」
■親類を発見できなかった人々はグループを作った
インジリ氏はルネサンス・マンションには自身と同じ状況の人々が非常に沢山いると明らかにし、「ルネサンス・マンションには未だに発見されていない80人以上の人々がいます。このため親類を発見できなかった人々はグループを作りました。未だこのグループの中で行方不明者を発見した人はいません。グループができた当初から行方不明者の数は同じです。親類を探すことで暮らしは過ぎてゆきます。常に誰かに電話をしたり、メッセージを送り合っています。探しているものの希望は消える寸前です。尋ねる人も尽きてしまいました。もう何をすれば良いのかわかりません。私達の親類を見た人、もしくはどんな情報でも持っている人は私たちに連絡するようお願いします。唯一の望みは親類を見つけることです。」と話した。
■オズトゥルク大使も行方不明者に
ルネサンス・マンションの瓦礫の下にはデヴリム・オズトゥルク大使もいる。30年以上外務省で勤務したデヴリム・オズトゥルク氏は外務省ハタイ担当の業務を行っていた。しかし捜索活動ではデヴリム・オズトゥルク氏の遺体は発見されなかった。
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翻訳者:竹田史佳
記事ID:55210