地震被害額は2兆リラ、55%は住宅被害

2023年03月18日付 Hurriyet 紙

カフラマンマラシュとハタイを中心とした地震の総被害額は、1兆9550億リラであると算出された。1036億米ドルほどに相当し、2023年国民所得の約9%に達しうると見込まれている。

国庫財務省は、カフラマンマラシュを中心とした地震がもたらした被害額は、合計で1兆9550億リラとなることを明らかにした。災害の大きさと与えられたデータを集めることが困難であることが指摘された発表では、建物、家屋、オフィス、工場、機械、設備の情報が完全な計算に近づいたことが述べられた。当該地域では、1兆6000億リラの物質的損失が確認された。同省の計算によると、地震発生地域に対して行われた緊急支援と支出は、瓦礫撤去活動、保険金支払、その他のあらゆる支援と支出と並びに、国民所得の減少によって、3514億リラの損失となった。

財務省の評価では次の通り述べられていた。
「世紀の災害の被害額は、約2兆TL(1036億米ドル)である。この数字は、2023年の国民所得の見込みの約9%にあたる。これは、1999年のマルマラ地震のおよそ6倍の物質的な被害があることを示唆している。

■128億の急を要する出費

カフラマンマラシュとハタイ地震報告書によれば、地震が発生した後に初めに行われた支出は、探索救助活動を目的としたものであった。この枠組の中において1280億リラかかった。被災者の宿泊費と食費は405億リラ、家が損傷した家庭への引っ越し補助費は、1万5千リラ、家主と貸主への年次賃貸支援費が3万3千リラで最も高い費目となった。

■最大の被害は住宅

地震のトルコ経済における合計被害額の中で最大の割合となったのは、54.9%で住宅費だった。1兆740億リラである費用は、ドルと同等であれば569億リラであると見込まれた。二番目に重かった被害額は、公的インフラと公共のビルの破壊となった。その総費用は2425億リラと算出された。住宅を除く民間部門の被害は2224億リラと推定される。この項目の中には、製造業、エネルギー、通信、観光、保健、教育部門、スモールビジネスへの被害、礼拝所などが名を連ねている。

■掘り出し作業の費用は4千2百万となっている

報告書によれば、1億~1億2千万立方メートルあたりの掘り出し費用は420億リラであると見込まれた。家の中の家財の費用は585億リラだと見積られた。自動車保険の費用は12億、自然災害保険機構(DASK)の支払額は364億リラ、貿易業の損害額は13億9千リラだと予想された。国民所得の損害も130億リラ発生した。こうして合計の被害額は、1兆9550億リラになると推定された。

■姉妹県の決定

危険性を減じる提案も記載された報告書では、AFADが水平的な組織を取り入れ、権限を拡大し、どのような災害時にも対応する能力を迅速化、向上するために必要な法整備を行うことが有益であると指摘された。災害への対応時に、生じた問題を評価し、新たな災害が起こりそうな前にこの問題を解決するために備えをすること、地域の災害対応能力を向上させる重要性についての意見を呈したことを強調しつつ、次のように延べられた。「この点で、地理的距離、県の人口密度、県の災害リスクの枠内で同じ特徴を有していないことなどを考慮し、あらゆる県のために姉妹県を決定し、災害時において県知事府、市自治体やその他の公的組織や公的機関と市民社会関係総局と調整することに向けて重い責任を負うべきである」

■許可を与えるのは中央の組織

報告書では、「恒久的な居住地域」という見出しで、第一および第二地震地域において、そして、洪水などの危険が高い地域でゾーニング計画や実施工事における地方自治体の権限を検討することを提案しつつ、「この枠組において、計画変更時の不備に関する計画作成担当者への刑事的な制裁を検討すべきである」と書かれていた。また、報告書では、「建設ゾーニング法の範囲内において、知事府もしくは市政府の側から建設許可取得するプロセスが中央機関もしくは関係する省の監督下で新たに構築することがさらに重要である」と延べられた。

■違法建築物の売買を禁止する

「恒久的な居住地域」の見出しの下では、高いリスクのある建築物に対してはじめに改築をもたらす必要を強調した。発表では、「建設物の総数の頑健性のために、地震があった地域を筆頭に、全国で建築確認証を取得している建築物のリスクの状況を問いただすべきである。違法建築物を発見すべきであり、違法建築物に対して制裁(売買禁止など)を強化し、違法建築物の数が増えるのを阻止すべきである」提案がされた。

報告書では頑健な建築物を建設させるために最も重要な要素の一つには、建築監査であると延べられている。また、「この枠組で、関連する機関や組織側より行われる審査と評価によって、建築監査企業に定期的に監査できる機会を提供するシステムを開発する必要がある。専門知識が必要とされるプロセスである建築監査事業の質を上昇させるために監査人員に対する専門的なトレーニングプログラムを作ることと能力を証明する必要がある」と延べられた。


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翻訳者:関颯太
記事ID:55253