ガレリア住宅群の瓦礫には56年の努力の痕跡が眠っている

2023年04月09日付 Milliyet 紙

カフラマンマラシュを震源とする地震の影響を受けたディヤルバクルでは、56年間、街の映画事業を営むアブドゥルカディル・アイドゥンさん(65歳)は、ガレリア住宅群の瓦礫の中から職場の物質的・精神的な所持品の中で残ったもの[の引き取り]を待っている。

カフラマンマラシュを震源とする地震が襲ったディヤルバクルでは、7棟の建物(一つは無人)が倒れた。ガレリア住宅群は、イェニシェヒル郡に所在し、街で初めてのショッピングモールとして1999年から営業を始め、4階分がショッピングモールに当たり、8階分は128世帯4ブロックからなる。うち1ブロックは最初の地震で倒壊した。89人が死亡し、22人が負傷した。

残りの3ブロックは制御しながら解体している最中に崩壊した。倒壊した住宅群では瓦礫撤去作業と鉄くず回収作業が続いている。市全体としては414人が死亡し、912人が負傷した。瓦礫撤去作業が続くガレリア住宅群では貴重品や個人の持ち物も控えをとって持ち主に引き渡されている。所持品を待っている人々の中には56年間、街の映画事業を行い、瓦礫の下になった3階(日本の4階に当たる)にあった映画館のアブデゥルカディル・アイデゥンさんもいる。アイドゥンさんは、3月4日に制限付きで持ち物の取り出しを認められた際に精神的な意味を持つ写真だけを手に入れることができたといい、規制線の背後に自分の他の持ち物が出てくることを待ち望んでいる。

■「来た実際の理由はあの道具類を最後に見る事です」

市の初めての映画館関係者であるアブドゥルカデゥル・アイドゥンさんは、「家族と一緒にディヤルバクルで地元の映画館を根付かせるために惜しまずに貢献してきました。ですが残念ながら瓦礫の中には大変価値のある物がありますが、年代物の逸品を取り出すチャンスはありませんでした。ただ、精神的な価値がある写真といくつかのアーカイブを取り出しました。機械と機器は瓦礫の中に残っています。崩壊後に瓦礫の下になりました。ここに来た理由の一つは、実際のところ、その道具類を最後に見る事でした。どうすることもできません。ここへの行き帰りの際も『今さら来たって』と口にします。ディヤルバクルで地元の映画館がある事をずっと望んでいました。今日までやってきました。もう既に考えています。関係者たちは地元の映画館を独自にやるのでしょうか?いつもそれを考えています。この問題に関して今回は挑んでいます。再度ディヤルバクルで地元の映画館ができるよう健闘していますし、死ぬまで続けたいです。ですがご覧のように、人々にとって価値のあるものはあの場にあるのです。探す人も聞く人もいません。希望もなく来ては眺めています。自分の気持ちを落ち着かせているのです。」と話した。


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翻訳者:竹田史佳
記事ID:55380