欧米メディア、エルドアン侮辱

2023年05月05日付 Milliyet 紙
BBCからエコノミスト紙、雑誌『フォーリン・ポリシー』から『ル・モンド』紙、ワシントンポストからファイナンシャル・タイムズに至るまで、ほぼ全てのメディアは反エルドアン・キャンペーンを開始した。

トルコの歴史的選挙に向けカウントダウンが行われる中、欧米メディアは公然と旗色を鮮明にし扇動的な表紙やニュースを報道している。BBCから『エコノミスト』紙、雑誌『フォーリン・ポリシー』から『ル・モンド』紙、ワシントンポストからファイナンシャル・タイムズに至るまで、ほぼ全てのメディアが反レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領キャンペーンを開始した。

国民連合の大統領候補ケマル・クルチダルオールにインタビューを行ったBBCは、記事を「危機は様々な形で訪れる。トルコの長きにわたるリーダーであるレジェプ・タイイップ・エルドアンには、元国家公務員(注)の手で作ったハートの絵文字という形で訪れた」という文章で始めた。

フランスの雑誌『ル・ポワン』は、波紋を呼ぶ表紙の中で「エルドアンはもう一人のプーチンだ」と書いている。記事の重要スポットでは「まるでプーチンのように、イスラム主義者の大統領も帝国主義の夢と独裁的な傾向を明確にし続けている。選挙直前で、世界は固唾を飲んで見守っている」というような嫌悪に満ちた言葉も含まれた。

また他のフランス雑誌『レクスプレス』は、「エルドアン、カオスのリスク」という表紙で読者の前に登場した。記事では「ヨーロッパ、避難民、中東…」といった言葉とともに、「トルコ:リスクに満ちた選挙、プーチンとの合意」のように挑発的に取り上げた。

アメリカの雑誌『フォーリン・ポリシー』は、「トルコの選挙は自由で公正なものとはならないだろう」とした見出しで発行した分析記事の中で、「だが、野党はまだ勝つ可能性がある」と述べてエルドアンへの敵対心を表した。

イギリスの『エコノミスト』紙は、大きな文字で「2023年の最重要選挙」という見出しを選び、「エルドアンは去るべきだ」や「民主主義を取り戻せ」として扇状的であった。

フランスの『ル・モンド』紙は、「もし負けたら、エルドアンは権限を手放すだろうか」という問いを見出しに付け、「我々はエルドアン時代の終わりの始まりを経験しているのだろうか?」とし煽り立てる報道を続けた。

イギリスの『ガーディアン』紙は、選挙が迫り「エルドアン地震:何年にもわたる悪政は災害をどのようにさらに悪化させたか」という見出しのニュースを報じた。

アメリカのニューヨークタイムズの見出しはと言うと、「地震に強くであって、貧困にではない:トルコの望まれない死」であった。

ワシントンポストの一面も、エルドアン大統領への嫌悪感を露わにした。
「独裁の高まる影が、トルコ選挙の上空に立ち込めている。」

イギリスの『ファイナンシャル・タイムズ』紙は、「トルコ野党の党首は、独裁主義に対し引き返しを誓っている」と述べた。

■トルコから激しい反発

欧米メディアで高まるエルドアン批判に対し、トルコから反発が相次いだ。エルドアン大統領は、今朝投稿したTwitterのメッセージ上で「国際的な権力の宣伝装置である雑誌の表紙で、我が国の内政を方向付け、国民の意思に指を振り非難することは許さない」と述べた。

大統領府のイブラヒム・カルン報道官は、『エコノミスト』紙の表紙に対しTwitterアカウント上で反発した。カルン報道官は、「彼らは再び我々を苛立たせた。『新政権は欧米との傷んだ関係を修復する。』私はこの言葉を、言説を、そしてどのような文脈で言われたのかをよく知っている。冷静になれ。我が国を指導していた時代は過ぎ去った。最終的には国民が投票で伝える」と投稿した。

メヴリュト・チャヴシュオール外相は、『エコノミスト』紙が来月号に掲載する予定の記事を撤回し、Twitter上で「今回のことは『エコノミスト』紙がやった最初のことではない。好きなだけ無駄口を叩けばいい。トルコ国民の民主的な意思を誰も無理強いできまい。我が民は5月14日に必要な答えを出すことになる」と投稿した。

大統領府情報庁ファフレッティン・アルトゥン長官は、Twitter上で『エコノミスト』に加え『ル・ポワン』やBBC、そして『レクスプレス』の表紙と見出しを引用したメッセージを投稿し、「5月14日の選挙を前にして、欧米メディアによる病的なトルコ批判とエルドアン嫌悪を目の当たりにして遺憾に思う。国民の意思をターゲットにした報道を目にして驚いている」と述べた。

公正発展党のオメル・チェリク報道官は、Twitter上で「欧米雑誌と新聞は、またもトルコにおける政治的展開に介入するために動員されている。大統領に対するコメントが設られている。だが、彼らは学習する必要があった。今に至るまでどんな話題でも影響はなかったことが、何度も目撃されている。彼らは再び同じ結果を迎えることになるだろう」と述べた。

(注)クルチダルオールを指すと思われる。彼は最初、財務省で働き始め、公共部門でキャリアを歩んだ。


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翻訳者:関口ひなた
記事ID:55538