5月28日、トルコ大統領選挙決選投票は、非公式速報によれば、レジェプ・タイイプ・エルドアン氏が得票率52.10%で勝利。選挙に敗れた国民同盟の大統領候補ケマル・クルダチルオール氏は共和人民党(CHP)本部で記者会見を行い、「私は闘い続けた。そしてこれからも闘い続ける。民主主義のために闘い続ける」と述べた。
ケマル・クルダチルオール氏の会見の要点は次のとおり。
「親愛なる国民の皆さん、私は皆さんの権利が奪われるのを許すことができなかった。目を閉じて見ないようにすることもできなかった。難民(移民)を何百万と受け入れて、皆さんが二級市民になってしまうことに見て見ぬふりはできなかったし、しなかった。彼らの子どもらは仕事がなく、どうにか生活を維持しようとするなかで、彼らが皆さんの権利を奪うことを許せなかったし、許さなかった。 商店主らが借金を抱えていることに対して、私の心は納得できず、私自身納得しなかった。日々、あらゆる商品が値上げされ、人々の蓄えが空になっていく様子にじっとしていられず、実際、じっとしていなかった。
■「私は闘い続ける」
私は皆さんにとって兄弟であり、友であり、息子でもあり、叔父でもある。そして何よりもまず、この土地の人間として、私は常に皆さんの権利と法のために奮闘してきた。何者も皆さんを抑圧することなく、皆さんが互いに気分を害し合うことがないようにと、ゆとりと豊かさそして安定のなかで闘ってきたし、これからも闘い続ける。皆さんにひとつお願いがある。皆さん自身、そして皆さんの周囲の子どもや引退した高齢者、母、父、農家、事業者といった我々の同胞のために、民主主義を求める闘いを支援してほしい。我々はここ数年でも最も不公平な選挙プロセスを経験した。国家がもつありとあらゆる力が一つの党に動員されたのだ。この反道徳的で違法な抑圧に対し、拡大されていく恐ろしい風潮に屈することなく闘った国民同盟の諸代表に、事務局に、有権者に、そして投票してくれた全国民に心からの感謝の意を表したい。
私は、民主主義を求める闘いの真の英雄である女性と若者に、敬意・敬愛をもって敬礼する。今回の選挙では、さまざまな圧力にもかかわらず独裁政権を変えようとする国民の意志が明確に現れた。 共和人民党と国民同盟は、全員一丸となり、あらゆる分野で闘っている。 我々は、トルコに真の意味での民主主義が到来するまで、この闘いの先頭に立ち続ける。 この先トルコ待ち受ける困難が私の悲しみの主な理由だ。その困難に我々が立ち向かうことを知っておいていただきたい。
私に投票してくれた2500万人の国民には意気消沈せず背筋を正してほしい。我々の歩みは続くし、我々はここにいる。皆さんに敬意を表する。」
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翻訳者:原田星来
記事ID:55680