国際エネルギー機関:イランの石油生産、直近6ヶ月で日量35万バレル増加
2023年06月23日付 Iran 紙
【イラン電子版】国際エネルギー機関(IEA)は「石油2023」と題する新たな報告書の一部において、イランの石油輸出状況に関する調査を行い、以下のように記している。「イランは依然として世界の石油市場において重要な潜在的プレイヤーである。もし対イラン制裁が解除されれば、イランはその石油生産量を徐々に日量90万バレルまで増やし、現在の石油生産能力、すなわち日量380万バレルにまで到達させることが可能である。」
JCPOA再建交渉は2022年9月以降停止されているが、最近になって対イラン制裁の一部が解除される可能性を示す複数の報道が出ている。
この国際機関はその報告書の続きの中で、とりわけ第13期政府においてイランの石油関連制裁が効果を失っていることに言及し、以下のことを記述している。「厳しい金融制裁にもかかわらず、2022年のイランの石油生産量は1日当たり約13万バレル増加し、日量250万バレルに到達した。イラン石油の中国への輸出の動きは依然として注目すべき数字で推移しており、イランは西暦での昨年の第三四半期以来、1日当たり約100万バレルの石油を同国に輸出している。」
輸出の増加と国内消費の上昇の結果、イランの石油生産量は2023年5月には日量290万バレルに達した。
この報告書によると、イランは2021年には平均して日量242万バレルの石油を生産したが、2022年には13万バレル増加して日量255万バレルに達した。西暦の今年に入ってから現在まで(直近のおよそ6か月)では、35万バレル増加して日量290万バレルに達している。また同報告書によると、2021年以降イランの1日当たりの石油生産量は48万バレルであり、20パーセント増となっている。
国際エネルギー機関は、さらにこの報告書の続きの中でイランの石油輸出の拡大見通しを示し、以下のように記している。「我々は、イランが自国の広範な石油ネットワークを持続させることができており、もし制裁が解除されるならば直ちに石油の生産と輸出を増加させることができるだろう、と考えている。」
同報告書は、イランの石油部門への制裁のプラスの影響の一つに言及して、以下のように記述している。「生産量の減少により、イラン国営石油会社は生産コストの高い海上油井の一部を閉鎖せざるを得なくなり、また老朽化した油田の修理とメンテナンスの作業を開始せざるを得なくなった。老朽化した油田の生産停止は、その油田にとって有益である。それらの油田の内部圧力が増加し、再採掘が容易になるからである。」
イランの石油生産能力の向上に向けた取り組みについては、2018年以降の石油輸出の減少と制裁に起因する外国投資の不足によって、イランのこの面での取り組みは大きな困難に直面していると言わなければならない。しかしながら、イラン政府は将来的に石油生産量を日量100万バレル増産することができるよう、西カールン油田、北部及び南部アーザーデガーン油田、ヤーラーン油田、ヤーダーヴァラーン油田の開発に注力している。
制裁はイランを止めることができておらず、イランはイラク国境にある南部アーザーデガーン油田の石油生産能力を2023年には日量32万バレルまで倍増させることを見込んでいる。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
翻訳者:OM
記事ID:55903