与党の統一地方選挙対策費用は低収入の人々を直撃する
2023年07月10日付 Cumhuriyet 紙
エコノミストのシェレフ・オウズ博士は、公正発展党政権が前回の地方選挙で敗北した大都市で勝利するために必要な財源を論じた。オウズ博士は、捻出される財源が低所得者をより困難な状況に陥れると述べた。
エコノミストのオウズ博士は、エコノミム紙で発表した記事で公正発展党政権の統一地方選の費用について分析した。
オウズ博士は、政権の基本的な言説が敗北した大都市を取り戻すことであることに注目し、「例えば、イスタンブルのためだけに総選挙対策費用ほど追加費用が必要となるだろう。この姿勢によって政権のイスタンブルへの対策費は、少なくとも10億リラだろう...。この財はもちろん予算赤字の追加負担となるだろう。不足分を中央銀行紙幣印刷所は、透かし入りの紙の在庫を蕩尽するかのように真新しい紙幣を刷ることだろう。」と述べた。
「これは一時的なポピュリズムなのか」と問いを投げかけたオウズ博士は、「特にイスタンブルとアンカラといった大都市を取り戻すために支出されるのは、推定20億リラといった財となるだろう。しかし、これは単に選挙戦略のために必要とされるお金のばらまきである。こうした財は、真に必要とするものに充てたり、あるいは、サービス向上のために使われる代わりに、一時的なポピュリズムの嵐を起こすという目的で費やされるかのように見える。」と述べた。オウズ博士の記事の続きは以下のとおりである。
「選挙期間に生じるこうしたお金のばらまきは、政権与党が真の問題を解決するためよりも、政権を継続するという野望を優先したことを示している。選挙で用いられるポピュリズム的姿勢は、長期的な継続性と経済的安定といったような重要な問題を無視することに繋がるだろう。」
■低所得者はより困難な状況に陥るだろう
低所得者層の保護は、社会的公正さの担保、所得上の不平等さの低減という点から大きな重要性を帯びている。しかし、最近の付加価値税(KDV)の引き上げといった政治的な措置は、低所得者をより困難な状況に陥れる性質のものである。
この状況は、不利な貧困層はより重い財政的な負担を受け、物価高をより一層感じる原因となるだろう。ある意味では、すでに壊れている所得の分配が、政府の選挙負担が原因でより一層壊れるだろう。富める者は更に富み、貧しい者はさらに貧しくなることになるだろう。
さらに、中央銀行金融政策委員会の短観での兆候もインフレが止まらないことを示している。払われる費用の対価でインフレが止まらないのは、経済的な安定を担保し人々の購買力保護するという点で、深刻な問題を形成している。
結果として、ポピュリズムの罠が、社会の大部分を恒常的に貧困層へと押しやる一方、経済は重大な傷を負うことになるだろう。」
この記事の原文はこちら
翻訳者:新井慧
記事ID:55948