アタテュルク廟の背後にモスクが?
2023年08月17日付 Cumhuriyet 紙
アンカラのベシェヴレル地区で、アタテュルク廟から300メートルのところにある「教育地区」は、「祈りの区域」として認められた。法廷は公正発展党(AKP)所属のメリフ・ギョクチェクとムスタファ・トゥナ両氏のアンカラ市長任期中に行われた変革に「中止」を言い渡した。その場所には以前、ハジェテペ国立音楽学校と観光専門高校があった。決定はアンカラ広域市議会で満場一致で可決された。計画の建設エリアでは、モスクの高さに制限を設けていない。共和人民党(CHP)市議会議員らは、「モスク建設計画はCHP議員の間でも議論を呼んでいる。計画が問題を起こす可能性についての言及があった。」と話した。
アンカラ広域市内のアナドル宿泊業・観光業専門高校は、2016年に「耐震性がない」ことが原因で取り壊された。ハジェテペ国立音楽学校と隣接して「教育地区」と呼ばれる同区域は、以前AKP所属のメリフ・ギョクチェクとムスタファ・トゥナ両氏のアンカラ市長任期中に二度「祈りの場」へ変化させる計画があったが、異議申し立ての末、法廷は「ベシェヴレル広場にモスクを建設するのは教育内容を毀損する」との理由を出して、計画は中止されていた。
同計画は、アンカラ広域市議会に2023年6月に再び持ち込まれ議会で満場一致で承認された。決定は7月に公示となった。専門会議所と地域住民はこの決定に反発した。
■「地域には4つのモスクがある」
建築家会議所アンカラ支部代表のテズジャン・カラクシュ・ジャンダン氏は、3度目の訴えの準備を整えたと明らかにし、「このモスクは、徒歩圏内である500メートル圏内に他の4つのモスクがあるにも関わらず、『共和国の教育科学キャンパス内』への建設が望まれています。これにより教育が打撃を受けると言われているにも関わらず、次々に祈りの場へと変えられていくことを認めています。」と語った。
アタテュルク廟の敷地から300メートルの距離にモスク建設が計画されていると強調したジャンダン氏は、「ベシェヴレルの心臓部に10万平方メートルのコンクリートを入れてアタテュルク廟の区域に圧力を加え、第三番目の方向からアタテュルク廟のシルエットにも影響を与えて壊す可能性があります。決定に賛成した人々に対し、沈黙を貫くことはしません。」と話した。
■「高さが不透明」
「満場一致」の決定を批判するジャンダン氏は、以下のように述べた。
「政府はこのモスクを象徴として利用している。建築家会議所はすでに政府が取り壊そうとしているモスクも保護している。」
一方で、満場一致で可決された建設計画では、3万5千平方メートルの礼拝エリアが「建設許可エリアの1.5倍の土地は高さ制限なし」という点が注目された。ジャンダン氏は、計画で「高さが自由」と認められたことに反発した。計画の建設エリアによれば、モスクの高さに制限はない。
■「意図的な裏切り行為」
アタテュク主義者思想協会(ADD)のヒュスニュ・ボズクルト会長は、ある新聞に掲載された「アタテュルク廟にモスクが設けられるべきです。トルコはもはや無宗教的なアタテュルクとの理解を捨て、『イスラム教徒のアタテュルク』概念に移行すべきです」との発言に触れ、上記決定に反発した。ボズクルト氏は次のように評価した。
「どちらもAKP政府による、『反革命』のプロセスの中で、西側帝国主義の100年来の目標の実現に向けた裏切り行為です。これらは意図的に行われ、偶然でない裏切り行為です。さもなければ、あらゆる場所が尽きてアタテュルク廟[の土地]が残ったのでしょうか、アンカラにはモスクが足りないのでしょうか?今実行されていることは、ここ100年続く、AKPが政権を握るまでは「活性化」できなかった組織的活動なのです。」
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翻訳者:小鉄礼子
記事ID:56162