財務省による金融引き締め、債務者に打撃
2023年08月18日付 Cumhuriyet 紙
就任時に「合理的な政策に戻す」と話していたメフメト・シムシェキ国庫・財務相は、金融引き締めが続くと発表した。シムシェキ財務相は、民間銀行に購買力の低下に伴い需要が増大する消費者ローンの抑制を求めた。シムシェキ財務相は、「商業ローンを支援せよ」と述べた。消費者組合や経済学者は「お金があるのに借金をして携帯電話や車を買う人々を阻止しようとしているが、借金で生計を立てている低所得者はつぶされることになる。新たな経済政策で消費者にとって秋は、まさに『完全な嵐』になる」とコメントした。
経済で金融引き締めが続くと発表したメフメト・シムシェキ国庫・財務相は民間銀行に「消費者ローンを切り詰め、経済拡大のために商業ローンをすすめよ」と呼びかけた。この呼びかけを評価した消費者組合や経済学者は人々の購買力の低下により、クレジットやクレジットカードに頼るようになったと述べ、「輸入消費を削減したいがために低所得者をつぶしている。クレジットカードの支払いが行き詰まるだろう。」と話した。
トルコ銀行連合(TBB)の第66回総会が昨日、イスタンブールで開かれた。総会にはメフメト・シムシェキ財務相、シャハプ・カヴジュオール銀行規制監督委員会委員長が参加し、トルコ銀行連合会長のアルパルスラン・チャカル氏が「業界として私たちの目的は、トルコリラの金融セクターを成長させることで、経済活動を支援し、社会の進展に貢献するよう先導することである。」と述べた。
(シムシェキ財務相は、トルコ銀行連合会長のアルパルスラン・チャカル氏とともに元銀行規制監督委員会委員長のメフメト・アリ・アクベン氏に感謝の楯を贈呈した。シムシェキ財務相と政策で対立するトルコ銀行連合新会長(前中央銀行総裁)のシャハプ・カヴジュオール氏はプログラムに出席したにも関わらず発言をせず、楯贈呈式にも出席しなかった。)
メフメト・シムシェキ財務相は銀行業界に期待することを挙げ、ビジネス界の資金調達の呼びかけに触れた。金融引き締めの動きに伴い、国内消費の削減を目指すシムシェキ財務相は、民間銀行に呼びかけた際に、銀行がこれを支援する必要があると強調した。内需のバランスをとる必要があると述べた同大臣は「民間銀行が消費者のクレジットのみに頼る時代を終わらせなければならず、実体経済部門を支援することを私たちの主な責務としなければならない。このための言い訳はなしだ。実体経済部門が継続的に資金調達できるのが必須条件だ。」と述べた。
■「低所得者はつぶされる」
シムシェキ財務相の発表を評価したハイリ・コザンオール博士教授は、ローン金利が今後引き上げられ、この動きが多くの低所得者に悪影響を及ぼすであろうと話した。コザンオール教授は、選挙前に低所得者がインフレ率を下回る金利で借り入れすることで生計を立てていたことに触れ、「現在、当局は消費を滞らせようとしている。しかし、輸入消費財から恩恵を受けるのは、すでに十分な収入を得ている人たちだ。お金があるのに借金をして携帯電話や車を買う人々を阻止しようとしているが、クレジットカードで借金をしながら生計を立てている低所得者はこの新たなシステムでつぶされることになる。需要が減少し、失業率が上昇すればクレジットカードの借金を払えない人の数は爆発的に増えるだろう。」と述べた。
消費者組合連合会のメフメト・ビュレント・デニズ会長は次のように述べた。「消費者の購買力が上昇しないのに、基本的な消費物品の値上げし借金の方法を閉ざすのは、人々を飢えに追いやるという意味だ。新たな経済政策により消費者にとって秋はまさに完全な嵐となるだろう。」
■消費者負債は大幅に増加している
国民が消費者ローンとクレジットカードで生活できていることは、銀行規制監督委員会(BDDK)のデータにも反映されている。銀行規制監督委員会が収集した、比較サイトencazip.com上のデータによると、昨年の同時期に合計1兆2280億トルコリラだった消費負債は8月の1週目で84%増加して2兆2680億トルコリラに達した。昨年の同時期に9300億トルコリラだった消費者ローンは52%増加して1兆4150億トルコリラに達した。
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翻訳者:大屋千寛
記事ID:56173