アンタリヤ県アランヤ郡で発生した森林火災に、消火チームが陸空の双方から対応している件で、イブラヒム・ユマックル農業森林大臣が火災の最新情報に関する会見を実施。これに加えてイズミル県でも森林火災の消火活動が続いている。
アランヤのディム・ダム付近で、昨日(16日)午後12時頃、森林火災が発生した。煙に気づくや対応チームがすぐさま現場へと出動した。火災現場に到着した対応チームは、陸空の双方から消火活動を開始した。
■陸空からの集中介入
昨日(16日)午後12時頃にアランヤ郡ディム・ダム付近で発生した森林火災が拡大している。火の手はディム・ダムの後方にまで広がり、多数の陸上部隊と、複数の消火ヘリが現場へ向かった。
対応チームは、陸路でたどり着ける場所までは陸上から介入し、急峻で近づきにくい場所にはヘリや飛行機を用い、ダムから汲み上げた水で消火活動をおこなった。この地域では場所によっては風の影響があり、また集落も点在している。
■17戸が避難
農業森林省のイブラヒム・ユマックル大臣は、アンタルヤ県アランヤ郡で正午頃発生した火災現場を視察した。その後、同大臣はアンタルヤ県のフルシ・シャーヒン知事とともに報道陣への情報提供を実施。ユマックル大臣は、トルコ全土で発生した火災のうち森林総局が対応した火災は20件におよぶと明らかにした。また同大臣は、それらの火災のうち12件が農村部、8件が森林部で発生したと述べ、「残るはアランヤで続いている火災だけだ。その火災も勢力は大幅に減少している。11時56分に通報を受け、12時1分には消火活動が開始された。第一段階では、航空機10機、ヘリコプター22機、放水車72台と作業機械、そして500名に上る人が現場に派遣された。チームは県庁指揮の下、他部隊とともに任務に就き、約190ヘクタールが影響を受けたと算出した。しかし、そうは言っても、どの程度の地域が影響を受けたかは、いつもどおり火災の完全鎮火後にお伝えすることになる」と述べた。
ユマックル大臣は、この火災でウズムリュ地区とギュムシュカヴァク地区が影響を受けたと述べ、「これまでのところ亡くなった方や家畜の被害は出ていない。住宅一戸のみ被害を受けた。また、それ以外に17戸が予防措置として避難した。行方不明もない。あらゆる生き物は火災の影響を受けた。風向きが絶えず変化するため、消火は長時間に及んでいるが、炎の勢力は減退しており、現在、集中的な消火活動を続けている。ポイントはときどき風が止むことだ。おかげで延焼を抑制できるという利点はあるが、一方、煙が濃くなるため、航空機による消火活動が困難になる場合もある。火災が発生以降の気象状況は、風速20キロメートル、湿度42パーセント、気温29度。風向きの変化がなければ、もっと早くに目に見える結果が得られていた。現在、我々がいる峡谷の左右二か所で消火活動が続けられている。1~2時間はこの状況が続き、想定外の気象発生がなければ、活動はもっと楽になるだろう」と述べた。
■「必要に応じて夜間暗視ヘリ出動」
ユマックル大臣は、通常であれば9月15日を過ぎればこうした火災リスクは減少するはずだとし、「今回の火災の原因は調査の結果判明するだろう。国民の皆様には、ぜひ警戒し続けてほしい。我々は全域をスキャンし、その3D画像を以下のチームに報告した。また、1時間にわたって上空から火災を観察した。力を尽くして。火災は発生しないことが重要だ。国民の皆様には、敏感かつ注意深くあり続けてほしい。私としては暗視ヘリまでは必要ないと思っているが、必要があれば国民のために暗視ヘリを出動させられるようにしておく」と述べた。
■日没後も消火活動継続
アランヤで発生した森林火災を鎮火させるため、消火チームの作業が続いている。 ヘリや航空機による活動は暗くなると終了するが。地上チームは中断することなく作業を続けている。現地ではAFAD(首相府防災危機管理庁)やANDA(捜索救助隊)チームに加え、UMKE(国立医療レスキューチーム)、アンタルヤ広域市消防隊、憲兵隊、市職員も消火活動を支援している。イブラヒム・ユマックル農林大臣は、火災現場を視察した後、ガズィパシャ空港に配備されている無人航空機(UAV)指令センターに向かった。大臣はここで、バイラクタルTB2 UAVが撮影した画像を確認し、火災の影響を受けた地域に関する情報を収集した。
火災は主にディムダム渓谷の斜面に沿って拡大している。斜面に家を構える住民も不安を抱えつつ消火活動を見届けている。同地域に暮らすカディル・カヤ氏は、炎が自宅の近くまで来たといい、「我々も延焼を食い止めるための活動を後押ししている。斜面には多くの住宅がある。広範囲に延焼してしまう前に鎮火されてほしい」と話した。
■イズミル県の2地区でも火災
イズミル県ブチャ郡とトルバル郡の間で発生した森林火災の消火活動も続いている。ブカ郡ドアンジュラル地区とトルバル郡デミルジレル地区の間では昨夜23時10分に発生した森林火災の消火活動が続けられている。消火活動はイズミル地方森林総局の航空機4機、ヘリコプター5機、放水車45台、給水車12台、ブルドーザー9台で行われている。 イズミル地方森林総局のチームからは消火作業が順調に進んでいると報告があった。
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翻訳者:原田星来
記事ID:56343