最高裁判所による憲法裁判所裁判官9名告訴の波紋

2023年11月10日付 Milliyet 紙
最高裁判所第三刑事法廷による、憲法裁判所(AYM)のトルコ労働者党議員ジャン・アタライの釈放を求める権利の濫用ともいえる判決に従わないという決断を下し、権力の濫用まがいの判決を下した9人のAYM裁判官について告訴をすることが、司法と政治の舞台裏を騒がせた。

刑事法廷が憲法の範疇を超えて暴走したことで違憲としたAYM裁判官らが沈黙を守る一方で、政治家らから声明が発せられた。

■「問題は法が解決する」

ユルマズ・トゥンチュ法務相は、「議会に背く形で声明を発することは極めて間違っていることであり、無謀な行動である。裁判所の判決を口実にデモ活動を呼びかけることは誰のためにもならない。法は政府に属するのであり、問題は外にあるものではない。法の下で想定される仕組みによって解決される」と述べた。

■「この決定はある種のリトマス紙だ」

大統領首席顧問であり大統領府司法政治評議会副長官を務めるメフメト・ウチュム氏は「最高裁判所によるAYMの権力濫用判決に従わないという決断は正当性において正しい。告訴の件については国の司法に対する冒涜の大部分を成すことを理由に反発する姿勢だ。憲法裁判所の決定はある種のリトマス紙だ。誰が国の司法を支持し、誰がそうでないのか明らかにするだろう。」と述べた。一方、トルコ弁護士連合会の理事会は昨日臨時会合を開いた。アンカラ弁護士会は最高裁判所第三刑事法廷の裁判官らが職権を濫用したとして告訴することを明らかにした。

■10人の裁判官の詳細を厳しく調べている

AYMは、9票以上の票が集まったことでアタライ氏に関する権力濫用判決を下した。関連する法律に従い、AYM長官と裁判官についての調査の開始はAYM総会の決定によるものだ。この件について調査が行われた裁判官らは会合に参加できていない。法律上、総会は少なくとも10人の裁判官の参加で行うことができるとされているため、最高裁判所第三刑事法廷について告訴すると判断した9人の裁判官が不参加となることで、総会をどのように招集するのかが議論されている。

CHP(共和人民党)議員らはTBMM(トルコ大国民議会)総会の閉会後も座り込みを続けた。議員らに賛同するオゼル党首は、「抗議は途切れることなく二審まで続ける」と語った。

■「公正の監視」運動開始

CHPのオズギュル・オゼル党首は、ヌーマン・クルトゥルムシュ議長に電話をし、議会顧問委員会を招集するよう要請した。しかしながら、クルトゥルムシュ議長から招集の呼びかけがなかったことについて、オゼル党首はTBMM総会を放棄せずに「公正の監視」運動を行うと明らかにした。一方、CHPでは複数の議員がアタライ氏が議員を務めていたトルコ労働者党へ17人の議員を送り、議会で会派を結成できるよう進言をしたことがわかった。

善良党の報道官クルシャド・ゾールル氏率いる善良党員らは、昨日、憲法冊子を手に最高裁判所を訪れた。冊子を警備員に手渡したゾールル氏は、今日最高裁判所の裁判官らに関して告訴すると告げた。

至福党のテメル・カラモルラオール党首および未来党のアフメト・ダヴトオール党首は、最高裁判所第三刑事法廷を厳しく批判した。


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翻訳者:関口ひなた
記事ID:56694