ギフトボックスとリボンをコンセプトにライトアップされたリゼ県のショッピングモールの店外装飾が十字架に似ているとして批判と議論の的となっていたが、その部分に修正が加えられた。具体的にはファサード(建物正面の飾り)にふたつめのリボンと、もう一本の水平方向のリボンが追加された。
リゼ県内ムフトゥ地区のショッピングモールで年末年始に向けた装飾作業が始まり、モール正面のガラス面にギフトボックスをかたどったライトアップが設置された。その際、装飾が十字架に似ているという一部ソーシャルメディア投稿をきっかけとして、市内で批判と議論が起こった。批判と反発を受けて、ショッピングモールの運営側は一時的にライトアップを中断してイルミネーションを修正。最終的にショッピングモールのファサードには運営者によって新しく紐の部分とふたつめのリボンが追加された。
■「十字架っぽさはなくなった」
ショッピングモール装飾の変化に気づいた市民の一人イスマイル・カンベルさんは、「外国の習慣をトルコに持ち込むことにはまったく反対だ。祭りというなら我々の宗教にある祭りを祝おう。真似事はやめなければならない。もし行うにしても、運営者はそれが何を象徴しているのかを考えるべきだ。あらかじめ結果を予想しておくべきでもある。そもそもはじめからやるべきではなかった、だから修正されたのだとおもう。あの装飾があの場所にあることは私にとっては魅力的ではないし、買い物をしようという気も起らないが、修正自体は尊重する。少なくとも、私がSNSで見た最初のデザインはまさしく十字架の記号だった。今は少なくとも十字架っぽさはなくなった」と話した。
また、ハリット・オフルオールさんも、装飾は十字架に似ておりスタイリッシュとは思えなかったと話し、「SNSで見た限り完全に十字架だった。それは誰も否定できない。まさしく十字架だった。私もなぜこんな過ちが起きてしまうのかと思ったが、トルコではこうしたことは初めてではない。この意匠は世界のあらゆる場所で目に入る。現在はそれほど(十字架は)見えないが、いくつか削除されたのだろうということは明らかだ。私にとってこのデザインは意味がわからないし、スタイリッシュだとも思えない」と述べた。
さらにスレイマン・チャクマク氏は、「リゼの人々はとてもクリエイティブだと思っている。私には十字架のサインは見えなかった。リボンがひとつだったとしても、私にはその線引きはわからないし、ふたつめが追加されなくてもよかったけど、よくなったとおもう。ただ、人々が満足するようにしよう。トルコ国民の多くが十字架と思い違いをしたようだ、ふたつめのリボンが描かれて人々は満足だ」と述べた。
■ショッピングモールが声明を発表
この議論に関してショッピングモール運営側は、ギフトボックスをコンセプトに制作されたライトアップはまだ完成していなかったのだとする声明を発表。発表では、「リボンをあしらった形でデザインされたライトアッププロジェクトはまだ完成していない。現在、(SNSで)拡散されている画像は実際を反映しておらず、誹謗中傷キャンペーンの一部なってしまい、完全なる他意でもって多方面で弄ばれていることを残念に思う」とされた。
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翻訳者:原田星来
記事ID:56883