レバノン:フランスの和平案への各当事者の反応(3)

2024年05月04日付 Al-Nahar 紙

■イスラエルが軍事演習を開始…そして「二者」が交渉を独占

【本紙】

レバノンの現状を支配する憂鬱に対する外交筋の提案に話題に戻すと、同外交筋は今週木曜日に欧州委員会の委員長がベイルートを訪問した際のレバノンの反応を批判した。その反応とは、ヨーロッパがレバノンへ10億ユーロ相当の支援パッケージを決定したことに対してメディアや政界が嘲笑するようなトーンが支配的になり、この支援をまるで賄賂であるかのように描き、そしてそれをメディアやジャーナリスト、政治家や議員、聖職者が繰り返し語ったというものであった。さらに同外交筋は、この(批判の)「嵐」は多くの外交使節団が納得できていないことの表われであり、今回のこの訪問の含意や真意、そして様々な課題に直面するレバノンに対してこの訪問が内包する精神的、外交的、物質的支援のメッセージを無視していると述べた。そして外交筋は、レバノンの国益にとって有利な含意を無視し、真摯で責任あるレバノン外交に悪影響を及ぼすポピュリズムを焚き付ける競争を行うことの帰結について警告した。

このような状況の中、フランスのエマニュエル・マクロン大統領はレバノンの進歩社会党の元党首ワリード・ジュンブラート氏をパリのエリゼ宮殿へ招待し、レバノンの政治情勢について協議した。エリゼ宮殿の発表した声明によると、マクロン大統領はフランスが今もなお、レバノン担当の個人特使であるジャン=イヴ・ル・ドリアン氏を通して、レバノンを弱体化させている危機の解決に取り組むと表明した。また、これはレバノンの当局者らとの緊密な協力、また国際的なパートナーとの調整のもとで行われているとした。さらに同大統領は、レバノン政治のすべての当事者らに対し、現在国内に生じている膠着状態から脱する責任を持つよう改めて呼びかけた。

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翻訳者:酒井梢太
記事ID:57933