イスタンブル郊外3階建ての建物、崩落

2024年06月02日付 Medyescope 紙

イスタンブル県キュチュクチェクメジェ郡カルタルテペ地区で今朝方、三階建ての建造物が崩落。瓦礫に生き埋めになっている人がいるとの通報を受け、救助隊員による捜索救助活動が開始された。イスタンブル広域市長は、瓦礫の下敷きになった一名が死亡し8名が負傷したと発表。建物の所有者を含む2名が逮捕された。メフメト・オズハセキ環境・都市計画・気候変動対策大臣から、崩落した建物は築36年で、違法な床施工が見つかったと発表した。

イスタンブル県キュチュクチェクメジェ郡カルタルテペ地区で、6月2日(日)午前8時40分、ベレディエ通りとゲチト通りの交差点にある三階建ての建物が崩落した。

崩落現場には捜索救助チーム派遣された。イスタンブルのダウト・ギュル県知事は現場からの第一報として、崩落した建物は1988年築造で9名が住んでいたと発表。さらに重体者2名を含む7名が救助され、2名は瓦礫の下敷きになっていると明かにした。

その後、11時頃の県庁の最新情報で瓦礫に取り残されていた人が遺体で発見されたと発表された。

さらに12時の会見で、瓦礫に取り残されていた最後の一人は、負傷しているものの救助されたとイスタンブル県知事から発表された。

ユルマズ・トゥンチ法務大臣は13時22分のSNS投稿で、崩落事故の調査が開始されており副首席検察官や共和国検察官に加えて3名からなる専門委員会の委員が任命されたと明らかにした。

調査の枠組みで、倒壊した建物の所有者ハジュ・ムラット・ゲンチテュルクと、同じ建物の地階のドネルケバプ店所有者オズゲ・アクテュルク・ディンチェルが逮捕された。

アリ・イェルリカヤ内務大臣が15時頃に最新状況を発表し、建物から救出された9名のうち7名は合法滞在の外国人で、命を落とした人はトルクメニスタン出身だったと述べた。

■イェルリカヤ内務大臣「2023年2月6日の悲しみを繰り返したくない」

イェルリカヤ内務大臣は、今回の崩落事故に関して行政と司法の両面から調査が実施されたと述べた。同大臣は、「地震に耐えられなかった瓦礫に囲まれるような写真を我々は見たくない。予防策を考え、一緒に実施したいと考えている。政府と国民が手を取り合って一緒にやっていきたいと思っている。2023年2月6日の(大地震の)悲しみを繰り返したくはない」と話した。

この発表の後イェルリカヤ内務大臣は、崩壊した建物から負傷した状態で救出され、病院で治療を受けている生後6か月のアイギョゼルちゃんを訪問した。

同大臣はSNSで次のように述べた。

「名前にGüzel(美しい)とつくとおり美しいアイギョゼルちゃんの治療が続けられている。医師らによれば幸いにもアイギョゼルちゃん状態は良好で、この子の両親の治療も続いている」

■イスタンブル広域市長「近隣の建物も手順通り避難」

イスタンブル広域市のエクレム・イマムオール市長もキュチュクチェクメジェの建物倒壊現場を視察。

同市長は、近隣の建物では手順通りの避難が実施されたとし、今後マルマラ地方で起こり得る地震への備えという意味でも各関係者が協力する必要があると改めて注意を喚起した。

また、「キュチュクチェクメジェ郡庁の記録では(崩壊した建物に関する)通報ないし苦情はなかった。建物には遺憾にも違法な構造がみられた。1988年築といえば、当時の建設技術にかなり問題があることは一般人も認識している。そして残念なことに、建物は自然の法則に従って崩壊し、9名が瓦礫の下敷きになった。1名がお亡くなりになり、重体者2名を含む市民8名が負傷した。近隣の建物でも避難が実施された」と述べ、(防災行動への)「総力戦」を改めて呼びかけた。

同市長は、地震への備えは党派政治を超えた問題だと強調し、イスタンブルには特別な体制が必要だと述べた。また、「イスタンブル地震総局、あるいはイスタンブル地震評議会、どんな名称でもかまわないが解決策はそこにある。もちろん皆さんの尽力には感謝しているが、イスタンブルにおいてはそれだけでは十分とはいえない。問題を抱えている建築物は依然として多い。そして改めて確認すると、今のままでは40~50年かけても(対策は)完了しない。とはいえ地震リスクは日に日に高まっている。この問題をこのように解決する必要があることを、この事故を契機として皆さんにお知らせしたい」と述べた。

■オズハセキ大臣「建物に違法な床施工」

メフメト・オズハセキ環境・都市計画・気候変動対策大臣は自身のSNSで、初期の調査の結果、崩壊した建物は築36年で、違法な床施工があったと投稿した。

オズハセキ大臣の発表は次の通り。

「現場でおこなわれた初期の調査で、今回崩壊した建物が1988年に、建築学的・工学的な基準に準拠せずに建設され、また構造に海砂が使用されていたこと、その後のいずれかの時点で、建物の安定を乱すような追加施工がお粉されたことがわかった」


オズハセキ大臣はまた、「隊員らが現場で調査を続けており、状況の展開を逐一フォローしている」とも述べた。


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:原田星来
記事ID:58026