■米国大使館に対する攻撃:要求後の「治安事件」
【本紙:ムニール・ラビーウ】
この点で多くの人は、これに反対する勢力がいるという分析にいたるだろう。こうした反対は、レバノンや攻撃の標的となった両在外公館周辺における治安上の、軍事的情勢のぜい弱性を踏まえたものであるに違いない。またこうした国内の情勢をコントロールする能力がないかぎり、南部での情勢コントロールには大きな困難が伴うだろう。そのため、合意ないし協議は米国以外の当事者と実施されるのが不可欠だろう。
おそらくイラクを筆頭とする複数国内での米国大使館に対する攻撃を想起する人もいるだろう。在バグダード米国大使館およびその周辺は頻繁に攻撃にさらされてきたが、多くの人はこれらの攻撃を、協議の誘導の試み、あるいは協議の呼びかけや加速のための圧力の行使、そして描き出された関係におけるいかなる欠陥も大使館やその他の公館に及ぶ安全保障上の動揺に反映されることになるという脅しの枠組みに落とし込んでいる。在バグダード米国大使館に対する攻撃は、ミサイルないし無人機ないし他の兵器で行われたが、おそらくこれらのうちいずれもがレバノンでは手に入らない。多くの分析は、目的や動機を解明するかもしれない、あるいはしないかもしれない捜査の結果を待つところから始められるだろう。しかしレバノンは陰謀論に満ちた国なので、もし起きたことが単に刑事上の問題であったとしても、「知性と治安上の戯れ」が常にイノベーションを起こす能力があると考える多くの人々のもとで疑念は残り続けるだろう。
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