パレスチナ:西岸でイスラエル軍による報道機材の窃盗事件が多発

2024年06月14日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ガザ戦争開始以来、イスラエル軍によるドローンを含む報道機材の窃盗84件

【ガザ:本紙】

パレスチナ・ジャーナリスト組合は、イスラエル軍によるジャーナリストに対する84件の機材窃盗事件を記録したことを受けて、エスカレートするイスラエルの侵害行為を糾弾した。

同組合は、イスラエル軍がパレスチナのジャーナリズムの状況に対して行った「一連の犯罪」を糾弾した。その中には、ジャーナリズム業務に関連する機材の窃盗が顕著に増加していることや、ヨルダン川西岸地区でジャーナリストを標的にし、業務用機材、特にモバイル通信機器を押収していることなどが含まれる。

また同組合は、自由委員会が発表した報告書の中で、イスラエル軍兵士が 「ジャーナリストの所有物を簡単に没収したり、時には武力で叩き壊したりする窃盗罪」を犯した事件が84件あったと述べている。

さらに、報告書によると、ガザでの戦争が始まって以来、特に家宅侵入や逮捕の際にジャーナリストのモバイル通信機器を没収した事件が50件発生したという。またノートパソコン8台、パレスチナの印刷所8台が没収・破壊され、報道写真用の小型ドローン3台が没収された。

自由委員会のムハンマド・ラハーム代表は「これらの事件はヨルダン川西岸地区のみで発生したもので、ガザ地区での窃盗や破壊の量はもっと多い。ガザ地区では約86の報道機関の拠点が爆撃・破壊されており、現在まで続く爆撃と侵略による被害を全て押さえることは困難である」と述べた。

ラハーム氏は、これらの機材は仕事に関係するものであり、技術の進歩に照らし合わせると、携帯電話はあらゆるジャーナリストの(情報を伝達する)「神経」となっているとした。これを失うことによって、ジャーナリストは職業上最も重要な道具を失うことになると強調した。


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翻訳者:新粥みずほ
記事ID:58097