チュニジア:欧州議会選挙の結果に対する政治家らのコメント(4)

2024年06月10日付 al-Quds al-Arabi 紙

■チュニジアの政治家と欧州選挙:「難民たちの孫娘」の勝利への称賛と、移民を待ち受ける「困難な日々」に対する警鐘

【チュニス:本紙】

「民主主義潮流」の幹部であるザーキル・アヒーズィブ氏は、欧州議会選挙の結果を次のように説明した。「欧州市民(カトリック、プロテスタント、正教、イスラーム、ユダヤ教の信徒ら)は、元来保守的である。一般の人々は、母と父、子供からなる伝統的な家族を好み(同性愛とその推進者、そしてその社会的慣習の受容を拒否する)、戦うべき共通の敵(移民、ドイツまたは米国によるフランス支配)の存在を好む。そこでSNSの出現や伝統的メディアの世論への影響力の低下とともに、これらの要因が多数派(移民出身者さえも含む)を右派に投票させている」。

人権活動家のナジーハ・ラジーバ氏は次のように記している。「フランスで起きたことは、民主主義の終わりではなく、単に民主主義のネガティブな現象のひとつに過ぎない。民主主義はそれ自体とその仕組みにおいて、これらの現象を処理し、克服する手段を備えている。フランスには引き続き、意見の相違や競争、多元主義、政権交代の余地が残るだろう。自由と人権は守られ、それを擁護する男女も存在し続けるだろう」。

彼女は次のように説明した。「フランスでは、権力を独占し、自分に都合のいい憲法を書き、形式的な国民投票や選挙を課すような、(チュニジアにおける例外措置に関する)第117号令が見られることはないだろう。フランスでは、制度的な成果物が破壊され、あるいはそれがその時々の望みにのっとった傀儡的制度に置き換わることはないだろう。また反対者やジャーナリスト、市民がその意見や政治的・団体活動のために投獄されることもない。ラジオ番組が停止され、特に民間のメディア機関が抑圧されることもない。専制君主の後に続き、専制政治を美化する群れはフランスには存在しない。フランスは民主共和国であり続けるだろう。なぜなら、その民主主義は古く根付いたものであり、その利益を守り、それを放棄することを拒否する民主的な社会を築いたからである」。

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翻訳者:西村璃子
記事ID:58249