携帯電話は安心か?―レバノンでのテロをうけ・・

2024年09月19日付 Hurriyet 紙

サイバーセキュリティ専門家は、レバノンで9人が死亡し、3000人近くが負傷する原因となったポケベルのテロに対し本紙へ見解を示した。

戦史上初となるこのテロは、影響と同様に、その手法も世界中の話題となった。本紙は、テロの技術的な詳細を調査した。

◾️全ての端末に遠隔操作が可能なのか?

サイバーセキュリティの専門家が本紙に提供した見解によると、ポケベルや携帯電話のような人々が所持する電子機器は、今日サイバーセキュリティの観点からリスクを形成している。SIMカードがあるような、インターネット通信が可能である全デバイスは、サイバーの点から乗っ取られる可能性がある。専門家たちは、「開いている扉があれば、必ず入いる者はいる」と言っている。

◾️どのようにして爆発するのか?

専門家たちは、「この機器は、どのように遠隔で爆発するのか」という質問に二つの回答を示した。「デバイスを遠隔司令して、温められた内部の化学物質が刺激されます。この方法でバッテリーを爆発させることが出来るのです。しかしポケベルのバッテリーは小さいため、致命的な傷を与えることは不可能です。」防衛産業専門家は、スマートフォンは内部に安全保護装置があると指摘し、遠隔でバッテリーの爆発を仕掛けられないと述べた。

◾️ポケベルはどのようにして致命的な武器となったのか?

サイバーセキュリティ専門家は、「これはサプライチェーンの中に入ってのみ行いうる」と答えた。ポケベルはスマートフォンのような機器ではないため、遠隔操作が物理的干渉によってのみ可能となる。レバノンの事件では、何らかの形で物品の発注が追跡され、工場やサプライチェーンのどこかでポケベルの中に15-20グラムの爆発物が仕込まれ、その爆発物がメッセージによって起動するというシナリオを、サイバーセキュリティ専門家は最有力なものとして説明した。防衛産業専門家は、機器の内部にあるバッテリーが爆弾として設計され、機器に設置されていたと述べた。両者とも爆発物が遠隔で操作されたということを強調した。

◾️携帯電話は危険なのか?

携帯電話は、インターネットと繋がる機器であり、インターネットに接続する全ての機器同様に、遠隔操作される可能性がある。同時にパソコン、スマートカー、冷蔵庫、テレビのような相互通信するスマートデバイスにもこの現象は起こりうる。小さな機器にあるバッテリーが遠隔で操作されたとしても、致命的な傷を与えるわけではない。しかしセキュリティ上のトラブルは起きかねない。そのためインターネット接続のある全デバイスのサイバーセキュリティが必要である。

◾️回避できるのか?

一定程度、可能だ。電話にセキュリティを施すことは重要となっている。すでにどのPCにもアンチウイルス、さらにはより発展したエンドポイントセキュリティ対策があるように、携帯電話用にもそれらが開発されている。それはテロのみではなく、そもそも情報や財政業務のセキュリティにも必要である。国々は将来的に、全てのスマートフォンにこのシステムの使用を促す運用を行っていくだろう。例として、セキュリティ投資は税の優遇措置をえられるかもしれない。

◾️携帯電話は火災の原因になりうる

携帯電話に関する危険が大火事を引き起こす可能性があると明らかにした防衛産業専門家は、次のように述べた。

「私たちの手元にあるスマートフォンのバッテリーは、リチウムイオン電池です。発火すれば10秒で1400度まで上昇する力があります。これはつまり大火事になりうるという意味です。厄介なのは、その火事は水でも二酸化炭素でも消せないことです。消せるとすればF500というガスのみです。世界中でも数社が生産しています。同じバッテリーは電動自動車にも使われています。過去にはライプツィヒ、ベルリン間の高速道路でテスラの車が発火し、高速道路が一日閉鎖されました。消防隊は消化できず、バッテリーは燃え続けていました。国によっては電気自動車は屋内駐車場に駐車できませんし、かつて機内で携帯電話の充電が禁止されていたのはこのせいです。新しい飛行機ではこれに対応したセキュリティシステムがあり、充電が可能になりました。」

専門家たちは、新世代のスマートフォンのバッテリーが遠隔で易々と発火させられることは、内部のセキュリティシステムのおかげでないだろうと強調した。


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翻訳者:松田麻歩
記事ID:58680