トルコとシリアの間で関係正常化の過程に課する議論が続くなか、シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は特別恩赦を発表したとい
シリア国営通信SANAは、恩赦の対象となるのは2024年9月22日以前に軽犯罪によって裁かれた者や収監された者、兵役逃れの者が対象であると発表している。この決定によると、身を隠している者や裁判逃れをしている者に関して、国内では3か月以内、国外であれば4カ月以内に出頭しなかった場合には恩赦の対象にならないという。また、決定では「社会や国家に対する深刻な攻撃を成す一部の罪」や「賄賂」、「偽造」、「公衆道徳に反する一部の軽犯罪」も恩赦の対象にならないことが強調された。アサド大統領は、シリア内戦が始まった2011年からこれまで、少なくとも20回の特別恩赦を実施してきた。直近では2022年1月に恩赦を行った。
■反対派は対象外
[トルコの後援を受けていると言われる]シリアの暫定政府首班のアブドゥラフマン・ムスタファ氏は、恩赦の決定に関しコメントを行い、この大統領令を通してシリア政府が国際社会に対して国内の和解や制裁緩和に前向きであることを示そうとしていると述べた。また、同氏は「恩赦令は軍事的または政治的な反対派を対象としていない」と述べ、同決定が武器をもって軍を離脱した兵士を対象としていないと強調した。
■エルドアン大統領が呼びかけ
トルコのエルドアン大統領は、第79回国連総会に参加するために渡米する前に、アタテュルク空港迎賓の間で記者会見を実施し、シリアにメッセージを発した[9月21日]。エルドアン大統領は、シリアにおいてダマスカス政府と反対派の間でここの所停戦状態が続いていると強調し、以下のように話していた。
「この状況は恒久的な解決に有効な扉を僅かに開くために好ましい状況だ。シリア国外では、何百万人もの人が自国に戻るのを待っている。我々は、この件に関して呼びかけを行い、トルコとシリアの関係正常化のためにアサド大統領と会談する意思を示した。現在、相手側からの返事を待っている。」
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翻訳者:金子萌
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