エルドアン「トルコもイスラエルの標的」発言の波紋

2024年10月03日付 Cumhuriyet 紙

共和人民党の幹部は、トルコが大西洋条約機構(NATO)の一員であることに触れ、「細心の注意を払うべき事案が軽く扱われるべきではない。新たな永続的な問題を作り出す試みである。」と発言した。

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、一昨日トルコ大国民議会における発言の中で、遅かれ早かれイスラエルが止められると強調しつつ、「『約束の地』という戯言で行動するイスラエル政府がパレスチナとレバノンの後に狙うのは我々の国であるだろう。」と述べた。共和人民党の外交政策及び国家安全保障部の幹部は、エルドアンの発言について本紙に語った。共和人民党の外交政策担当イルハン・ウズゲル副委員長は、エルドアン大統領が憲法によれば軍の総司令官であることに触れながら、「大統領がもしある国家がトルコ共和国をターゲットにしていると述べ、そしてそれに信ぴょう性が無い場合、問題だ。もし発言が正しい場合、すぐに必要なことを行い、国家安全保障評議会を開催し、そして軍事招集命令が下されなければならない。もし、言葉の綾であっても、これは大変恐るべき軽挙である。国内外でトルコの信頼度を下げる。」と述べた。

◾️「これらの事案が軽く扱われるべきではない」

ウズゲル副委員長は、イスラエルが法律や国境の定めに従わないことに触れ、エルドアン大統領が、重大な「喫緊の」事案を政治利用すべきでないと指摘した。ウズゲル氏は、発言に関連して、「イスラエルがトルコを攻撃した結果、具体的に手にする利益は無い。もしエルドアン氏が本気であるなら、エルドアン氏の娘婿は、アゼルバイジャンの企業と合同フェアを開催すべきでない。この社会の安全保障に対する認識をもてあそぶべきではない。これは、とても細心の注意を払うべき事案で、軽く扱われるべきではない。エルドアン氏は、このような事案を頻繁に利用し始めた。これは、周辺地域におけるトルコそしてエルドアン氏の信頼度を下げてしまう。トルコの影響力を失くすような発言を控えるべきだ。」と述べた。

ウズゲル氏は、イスラエルがトルコをターゲットにしているという考えを一蹴し、イスラエルにはそこまで軍事力がないと述べ、NATOの一員のトルコを争いごとに巻き込みたくないとした。

◾️「テロ組織と手を組む動きに注意」

共和人民党の国家防衛政策担当ヤンク・バージュオール副委員長は、エルドアン氏の演説が、内政や自身の支持者に向けたものであり、新たな永続的な問題を作り出す試みであると語った。バージュオール氏は、「もしイスラエルが『リスク』から脅威へと移行したならば、トルコ大国民議会は秘密会を開いて通知すべきである。両国の国力を比較しつつ、弱点や強みに注意すれば、特定の分野で強力なイスラエルが、トルコに対して軍事的な脅威を構成する可能性を見出せない。しかし、あらゆる国家は、自国の利益を考慮しつつ、脅威やリスクと見る国に対して軍事的分野以外で、秘密の活動を実施しうる。この種の活動は、諜報活動の形をとりうるし、テロ組織を公然または秘密裏に支援する形もとりうる。これらの活動が存在するのであれば、国家が検知し排除することは、主権や存続のために必須である。したがって、トルコ国軍(TSK)の能力、あらゆる障害にもかかわらずトルコがNATO同盟国たることを考慮に入れると、イスラエルの直接的軍事脅威以上に、クルディスタン労働者党(PKK)や人民防衛隊(YPG)等のテロ組織を筆頭とする我々の安寧を損なう団体・組織とイスラエルが手を組む動きに注意する必要がある。」と述べた。


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翻訳者:山口晴夏
記事ID:58809