CHP、エセンユルト区への区長逮捕・管財人任命に抗議集会
2024年10月31日付 Cumhuriyet 紙
共和人民党(CHP)オズギュル・オゼル党首は、イスタンブルのエセンユルト区アフメト・オゼル区長の逮捕と管財人任命に対し、16:00に全イスタンブル市民をエセンユルトへ誘った。オゼル党首はエセンユルトで市民へ呼びかけた。
CHP党首オズギュル・オゼルが16:00に行った呼びかけにより、エセンユルト区長アフメト・オゼルの逮捕と同区への管財人任命に対して、市民がエセンユルト共和国広場に集まった。
オズギュル・オゼル党首は、催されたエセンユルト集会で演説した。オゼル党首の演説の一部は以下のようなものである。
「皆さんに心から感謝しています。今日ここエセンユルト広場でエセンユルトのみなさん、トルコ人、クルド人、アレヴィー派、スンナ派と様々な人々と共に選挙権を守ろうとするみなさんに心から敬意を表します。
今日、我々は昨日起こった重大な違法行為の後、エセンユルト自治体前に呼びかけを行いました。
区自治体に管財人を任命した者は、自治体建物の前のエセンユルト広場に警備を敷こうとしました。彼らは警察を使ってこの場所を矮小化し、みなさんを、我々を、力なき者と見せようとしています。」
◾️この鉄槌に対し我々は決然と立ち塞がる
「トルコ共和国は2日前に101周年記念を祝いました。あらゆる厄災が起こりました。テロがありましたが、我々は怖気付きませんでした。この鉄槌に対しても我々は決然と立ち塞がり、皆一丸となっています。」
◾️アフメト区長は1人では無い
「エセンユルト広場では、数万人の口から『アフメト区長は1人では無い』という声があがっています。昨日区長を呼び出せば、証言しに向かったところを、強引に家の扉を破りオゼル区長を彼のベッドで起こして拘束しました。彼らはこのことを知りながら行いました。公的機関の扉を金槌で壊したのです(注)。我々の弁護士たちは接見を許されませんでした。アフメト区長が初めて目にした本の下書きさえフォルダの中に入れました。拘留中[尋問]で、[区長が]誰彼と面会したとのことです、10年前、誰がテロリストと話したのかを見たら、公正発展党(AKP)の中でギュレン派テロ組織との関係が無い人は10人もいません。
2015年に2人のAKP代議士が[クルディスタン労働者党(PKK)の]レムジ・カルタルと会食をしました。[PKKの指導者で拘留中の]オジャランの手紙を読んだ学者は、レムジ・カルタルと8時間半も会っていました。彼らを我々はどうするのでしょうか。」
◾️管財人政策によりクルド問題を世界に広めた
「クルド問題など無いと彼らは嘯きます。今日の管財人政策によって、クルド問題の存在を全世界に公表していることになりました。」
◾️オゼル区長のメッセージを国民に知らせた
「アフメト・オゼル区長が我々に届けたメッセージは、『最初にいうことは職員と友人が自分の仕事に専念することだ。決して国民が犠牲になるべきでは無い。より強くなって外に出て、私の職務を以前の続きから続けるつもりだ』というものでした。」
◾️オゼル党首からエルドアンへ「早期選挙」の呼びかけ
「レジェプ・タイイプ・エルドアンよ、『馬鹿げた訴訟』や陰謀的な訴訟など考えるな。頭に浮かんだことを死刑執行人に実行させるな。勇気があるなら、実際に耐えられなくて逃げず私たちに対峙せよ。私たちは選挙の用意などできている。私たちは聞いている、エルドアン閣下。昨日火箸をもって発言したな。相応しくない管財人をエセンユルトのトップに送ったと。エセンユルトの市民はお前に対して「政府総辞職」を主張している。
お前の選挙に負ける恐怖やトルコを取り囲む努力、この汚い計算を、我々はみんな気づいている。あなたは分断化と、国民が苦しみを語らないのを望んでいる。貧困があっても、お前が心を砕くのは世間の注意を逸らすことと緊張を作り出すことなのだ。
組織や司法を腐敗させる者達は、今は国民の民意を強奪している。もう誰も我慢できない。私はこの場から、不快な思いを抱いている人全員に声をあげるよう呼びかける。」
◾️国民の心は、早期選挙という意味では無い
「一部のメディアから、人民の平等と民主(DEM)党、CHP、野党から手を引いて、国民の意思を実施せよ、早期選挙をしろとの主張がされています。あなたは引いたが、AKP-民族主義者行動党(MHP)が続けている。現在の議員数を増やし、あなたにも私にも、他の誰にも必要のない憲法改正をするのです。望むことそれをやっています。この場から全ての反対者に注意を促します。国民の心とは、早期選挙という意味ではないのです。90日後とは中間選挙という意味です。この罠に誰もかからないでください。」
◾️イマムオウル氏「私は皆さんと共に励む」
イスタンブル広域市長エクレム・イマムオウル市長は、広場で演説を行った。その内容の一部は以下の通りである。
「親愛なる友、市民、隣人の皆さん、皆さんを友愛と尊敬の念と共に歓迎します。もちろん、この広場はこのように一杯にするべきではない。このようなことは、痛ましいことです。今日この場に素晴らしいエセンユルトの人がいます。様々な出自の人がいます。トルコの至る場所からトルコ人、クルド人、アレヴィー派、スンナ派全員が集っています。残念なことに、連日様々な闇の攻撃に勤しむ与党に直面しています。彼らは、私の長い付き合いでこの国が育てた教授を、でっち上げの理由で逮捕し、エセンユルトを管財人に託しました。[統一地方選の]3月31日から今日まで全く同様の事例は、選挙で失ったものを司法を通じて取り戻していたのではないですか。次の選挙に勝つため、今から国民に圧力をかけようとしています。そんなことはできるはずない。彼らが法律的なものの下で行ったことはこの恥ずべき行為の下に留まるでしょう。彼らは嘘と誹謗を食事のように食べるのです。
[トルコとクルディスタン労働者党間の]解決プロセス委員会の中で行った会話の中で、イムラル島で開かれた会議で、我らのアフメト区長の名前が挙がっており、これはつまりテロリストだったということです。解決プロセスに貢献するため奮闘した人がテロリストなら、このプロセスを始めた職責者たちに私たちは何ができるでしょうか。何、あれはあれ、これはこれと。 自分の都合の良いように、ねじりにねじ曲げて毎日を嘘で過ごす頭の持ち主と私たちは直面しています。理性と良心を誰にも委ねていない人は皆、これが政治的な策略であることを知っています。
権利が誰のものであれ、その権利を守るのはエクレム・イマムオウルの職務です。 このあなた方の仲間[=区長のこと]は、6年間、彼らの誹謗中傷と捏造された査察に対処していていなかったですか? お願いです、馬鹿げた訴訟とは何か? そんな法律はありえないのです。あなた方は、まず国民が選挙で示した民意を尊重する政府であることを証明してください。この世に愛より偉大なものがありますか?私たちは被造物を愛する、創造主が為に』とは言わないのでしょうか?彼らはこの国の教えからかけ離れています。
私はこの場よりあなた方に約束します、皆さんとともに対処していきます。私たちはこの悪との闘いを強めていきます。共和国、そして民主主義の崩壊の傍観者には決してなりません。」
◾️「この手首を曲げることはできない」
「この手首を見ていますか。選挙で曲げられかったこの手首を、禁止令や管財人によって1ミリたりとも曲げることはできないでしょう。私たちは自分たちの問題の解決を秘密裏の計算に求めるのではなく、共通の価値観に求めます。私たちは、すべての人の権利をその人に手渡すことに求めています。エセンユルトで私たちは全ての人に隠すことなく両手を差し広げました。 クルド人だけでなく、すべての人に、私たちは片手に秘密契約書、もう片手に脅迫・恐喝の棒を潜ませていませんでした。」
◾️ハティムオウルラル「エセンユルトの内部和平に何を望んだのですか?」
オゼル党首の前に話したDEM党のトゥライ・ハティムオウルラル共同代表は次のように述べた。
「昨日、あなたの意向を汲んだ管財人が任命されました。 昨日、政治的クーデターがさらに起こリました。 我々は、あなた方の前でこのクーデターを非難し、管財人を決して受け入れません。
国内和平について話しているのではないのか?そうです、トルコは切実に国内平和を必要としています。では、エセンユルトの内部平和に何を望んだのですか?
管財人とは、国民の選挙権と被選挙権を彼らの手から奪うことです。 管財人とは、選挙で選ばれた人々は自治体を管理できず、自分が任命する役人が管理できるということです。」
◾️何が起きたのか?
イスタンブルのエセンユルト区のアフメト・オゼル区長は昨日実施された捜査により「クルディスタン労働者党(PKK))/クルディスタン社会連合(KCK)テロ組織のメンバー」であるとして拘束され、逮捕が決定された。 内務省は、逮捕されたエセンユルト区長アフメト・オゼルを一時的な措置として職務停止とし、またイスタンブル副知事だったジャン・アクソイ氏をエセンユルトの管財人に任命したと発表した。
◾️エセンユルト区庁舎、封鎖される
エセンユルト区アフメト・オゼル区長を逮捕し、代わりに管財人の任命したのを受けて、自治体庁舎とその周辺では異常な警備体制が敷かれた。 機動隊を含む多数の警察隊が、区庁舎周囲とその周辺の大通りや道を封鎖した。
(注)区長の自宅のみならず、執務室も捜査の対象となった。
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翻訳者:松田麻歩
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