38年ぶりに南キプロス大統領、米大統領府を訪問へ

2024年11月02日付 Cumhuriyet 紙
アメリカ合衆国ジョー・バイデン大統領は、10月30日に南キプロス・ギリシャ系指導者のニコス・フリストドゥリデス氏をホワイトハウスでもてなした。フリストドゥリデス氏は、1970年のマカリオス、そして1996年のグラフコス・クレリデスに次いでワシントンでもてなされた3番目のキプロス・ギリシャ系指導者となった。トルコは、キプロス島で両派の間でアメリカが歴史的に適用してきたバランス政策を放棄することに不快を覚えている。

会談は、二国の防衛分野を含む関係を戦略レベルまで引き上げる決定のすぐ後に実現された。

トルコは、キプロス島の両派間でアメリカが歴史的に採ってきたバランス政策を放棄することに不快感を覚えている。

トルコは、キプロス共和国への武器輸出禁止取りやめに対しても、懸念している。

◾️会談で、何が話された?

ホワイトハウスによる説明の中で、会談がアメリカーキプロス共和国間戦略的対談メカニズムが10月23日に行われたすぐ後に実施されたことが注目された。

エネルギー源の多様化、地域的安全、そしてウクライナにおける事態の展開を取り上げたとしたホワイトハウスは、バイデン大統領がガザへの人道的支援物資運搬を担ったキプロス共和国に感謝したことを明らかにした。

発表では、キプロス島が実際に分断されて50年目になることに触れる一方で、バイデン大統領は、国連安全保障理事会の決定に沿う形で、二つの地域・社会、全キプロス島民たちが政治的平等に依拠した連邦国家を建設するのを支援すると明らかにした。

バイデン大統領は、会談の前に行った短い発表では、トルコ軍が1974年にキプロス島で実施した軍事作戦に言及しながら「とてもよく覚えている。その年合衆国上院議員としての初任の年だった。悲しい日だった。」と述べた。

アメリカの同大統領は、これにも関わらず、キプロス島で連邦制が解決策となる点で楽観視していると述べた。

トルコ人たちが島の北部で1983年に一方的に宣言した北キプロス・トルコ共和国を、トルコ以外に承認している国はない。

フリストドゥディデス大統領は二国間の関係が歴史的そして戦略的に最高潮にあると明らかにし、防衛、安全保障、エネルギー分野での協働を強調した。

キプロス問題に関する見解を伝えたフリストドゥディデス大統領は、1974年以降、「国がトルコの占領」下にあると述べ、国連議会において問題の解決の為にアメリカの支援を望んでいると述べた。

トルコは、国連議会会議を基にする2004年のアナン・プランと2017年のクランス・モンタナ解決過程がキプロス・ギリシャ系社会により却下されたと強調している。

トルコ政府は、今後行われる会談は「主権的同権と平等な国際的地位を登録する」原則の上に構築されるべきだと述べている。

トルコ及びキプロス内のトルコ系リーダー達の両者は、解決策として連邦政府制を訴えている。

◾️アメリカとの関係はどのように発展したのか?

ギリシャの報道機関で発表されたニュースによると、二人の首脳対談ではエネルギー、経済、投資分野において前進が見られた。

キプロス共和国は、東地中海で膨大な天然ガスの埋蔵量を所持し、米企業も含む、多くの国際的企業と資源産出、国際市場への搬出問題で協働を行っている。

トルコ政府はというと、アメリカを始めとした地域で事業を行う国々に対し、東地中海の炭化水素の豊かさから、トルコとキプロス・トルコ系社会を始めとしてあらゆる方面が恩恵を受ける必要があると喚起する。

ワシントン‐ニコシア関係は、キプロス共和国が国内の銀行や金融機関がロシアを出所とするブラックマネーや他の違法目的の為に利用されることを困難にする取り組みを講じたのち、近年進展した。

アメリカは、イスラエル-ハマス間の戦争が地域にも影響する状態になった過程の中でキプロスと戦略的対話を宣言し、防衛問題で協働を強化させた。

アメリカはこの方針の最初の措置を2020年にキプロスに課した武器輸出禁止を取り除くことで講じた。

アメリカとキプロス共和国は、今年の9月に「相互防衛協働に依拠したロードマップ」を通じてこうした問題における協働を深めることを示した。

トルコはこの措置が島の武装化の点から危険な過程を始めることになると警告し、キプロス・トルコ系社会の安全の為に必要な対策を講じると明らかにした。

報道されたニュースでは、トルコが、島の北部で無人航空機の為に航空基地、さらに海軍基地の建設を計画していると述べた。

◾️トルコはなぜ不快なのか?

トルコは、アメリカが歴史的にトルコ-ギリシャ間諸問題とそれに関連して展開したキプロス問題において採用されたバランス政策を直近5年でギリシャとキプロス共和国側有利に変更したしたとして、アメリカを非難している。

トルコ政府は、このことが島・地域双方で悪い反響につながるものと喚起している。

また、この措置が、キプロス問題の恒久的解決策の為に行われるべき努力へ害を与えるだろうと述べている。

キプロスのギリシャ系の人達は、ヨーロッパ連合の加盟国となった後にキプロスのトルコ人たちと島の行政を共有する点で既にモチベーションが減退しており、上記した事態の展開がより彼らの意欲の低下を招くものと、トルコ政府は危惧している。

トルコ政府内で行われた評価では、アメリカがキプロスと進めている関係が、ギリシャと共に近年徐々に増加傾向にある防衛・安全保障上の協働と関連して考察されるべきである、と強調されている。
ワシントンが東地中海における戦略的協働を、トルコに代わってギリシャーキプロス両国と共に強化する意図を持っている述べられている。


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翻訳者:梅藤琴美
記事ID:58993