暗い冬、明けない朝 : 一年中夏時間はいつ始まった
2024年11月18日付 Medyescope 紙
トルコは、ここ8年間、春に時計を1時間進め、秋に1時間戻さない。特に、冬に職場や学校が朝早い時間に始まるにもかかわらず、空が遅く明るくなるのは保護者と勤労者から鋭い批判を受けている。朝、暗闇の中を外に出る学生と勤労者は、この適用が日常生活に悪い影響を与えていることをしばしば口にする。一年中夏時間の適用は、いつ、なぜ始まった。
トルコは、一年中夏時間の適用については8年さかのぼる。しかし、この施行についての議論は終わっていない。特に、冬に職場や学校が朝早い時間に始まるにもかかわらず、空が遅く明るくなることは、世論でしばしば批判を浴びる問題の筆頭となっている。この状況は、時とともに政治的な次元になってきている。
実際のところ、2023年5月14日の総選挙で大統領候補であったケマル・クルチダルオール氏の選挙公約の一つは、一年中夏時間の終了であった。
■夏時間はいつ廃止に
トルコは、1973年から毎年春に時計を1時間進め、秋には1時間戻し、夏時間の適用を実現してきた。しかし、2016年になると、抜本的な変更がなされた。この変更は、[エルドアン大統領の女婿]ベラト・アルバイラク氏がエネルギー・天然資源大臣を務めた2016年9月7日の閣議決定により開始された。
一年中夏時間の適用は、2018年に出された大統領令によって継続的になった。一年中夏時間の適用によって、トルコの西部で暮らしている人の冬の一日は日の出より前に始まる。この決定によって2016年9月30日から、冬には時計を戻さず、夏時間の適用が一年中続くようになった。
■夏時間の適用はどういうことか
夏時間の適用は、日光をさらに多く活用する目的で定期的に時計を1時間進めていた。トルコは、毎年3月の決まった日に時計を1時間進め、夏時間の適用が始まった。10月の決められた日に時計を1時間戻して夏時間の適用が終了する。自然な時間帯である冬時間が始まった。
エネルギー・天然資源省が官報で発した決定では、日光をさらに多く活用するため、冬時間を廃止し、夏時間の適用が一年中続くことが発表された。
■大きな節約を実現
この決定によって年間25億リラの節約になると主張された。当時のエネルギー・天然資源省ベラト・アルバイラク大臣は、Ⅹのアカウントで「この運用によって私達は大きな節約を実現するだろう。就業・授業時間において暗い時間が減り、時間の移行期の悪影響は生じなくなるだろう。」と述べた。
■議論は11年前にさかのぼる。
2013年に当時のエネルギー・天然資源省タネル・ユルドゥズ大臣も年間3億リラの節約を実現するとの理由で「継続的な夏時間」の実施に移行することを提案した。しかし、ユルドゥズ大臣は、閣議の中で「授業時間、労働者の状態、EUの実施状況、輸出市場と国際金融システムへの適用」といった点で発生しうる問題に言及した他の閣僚たちを説得できなかった。
■共和人民党議員から反対「女婿は去り、遺産が残った」
エネルギー・天然資源省の2025年度予算は、トルコ大国民議会の計画予算委員会で審議が開始された。共和人民党の議員は、一年中夏時間の適用を続けることを批判し、エネルギー・天然資源省アルパルスラン・バイラクタル大臣に反対を表明した。
一年中夏時間の適用の継続に触れた共和人民党アンタルヤ選出ジャビト・アル国会議員は、「子供たちが尋ねる。『起きられない。朝食を食べることができない。』と彼らは言う。女婿は去り、遺産が残った。」と述べた。
■学生と労働者の安全・通学通勤問題がある。
共和人民党アンカラ選出ウムト・アクドアン国会議員も「一年中夏時間」の適用が経済的な貢献をしていないと述べて、「学生あるいは労働者の集中力、モチベーション、安全・通学通勤問題がある。早朝の時間帯に起きて仕事に行く者や学校に行く人たちの中で家族と問題が生じている人々がいる。これを誰も配慮していない。トルコはすぐにこの政策をやめるべきだ。」と述べた。
発言後に、携帯電話のテレビ電話を使ってエネルギー・天然資源省のバイラクタル大臣に連絡をとったアクドアン国会議員は、バイラクタル大臣が電話に出なかったことを「大臣がなぜ起きなかったのかとは言わない。大臣が寝ているのは普通のことで、こうした人々が朝の暗いうちから起きるのは普通ではないと思っている。大臣に電話がつながらなかった。でも、何百万人もの人々が活動しており、私達は彼らに繋がることができた。」と述べた。
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翻訳者:新井慧
記事ID:59085