ジャーメ・ジャム電子版特別寄稿 イスラーム団結の道を歩むイランとサウジアラビア(2)
2024年11月11日付 Jam-e Jam 紙
−(続き)−
ドナルド・トランプが米国大統領に選出されたことは、サウジアラビアがイスラーム共和国と抵抗の枢軸への接近を急いだことに影響を与えていないものではない。
その理由は、ドナルド・トランプはホワイトハウス入り後、確実にアブラハム和平計画[アブラハム合意]を復活させようとし、サウジアラビアに対して、シオニスト政権との関係樹立を求めて圧力を強めるだろうからである。サウジアラビアも、シオニスト政権との関係樹立という条件がパレスチナ国家の問題の最終的かつ根本的な解決策であると考えているが、ドナルド・トランプ米次期大統領は前回の大統領の任期中に、パレスチナの人々の権利実現を全く重視していなかったのである。
かくして、このような経緯の中でサウジアラビアは、パレスチナ問題を含む地域および世界の多くの問題に関して、ドナルド・トランプの新チームとの向き合い方を見つけざるを得なくなるだろう。 したがって、ムハンマド・ビン・サルマーンは、特にトランプ選出後の新たな時代において、サウジアラビア政府にとっての政治的・軍事的安全地帯を作ろうとするだろう。
さらに、イスラーム共和国は、地域に生じた問題に対する役割の大きさと、外国の脅威に対するその抑止力により、この地域、特にペルシア湾岸地域の安全保障をローカライズするのに寄与し得る。それゆえに、サウジアラビアの政策は米共和党に近いという憶測に反して、ペルシア湾のアラブ諸国に対するトランプの攻撃的な行動やそれらの国々に対する利己的かつ商業主義的な見方により、サウジアラビアはトランプ大統領の新任期においてホワイトハウスの深刻な政治的難題に巻き込まれることになろう。
実際、このことはアメリカの二極構造支配に対し独立して安定した政策をとっているイランへのサウジアラビアの見方を変え、テヘランとのより現実的な関わり方を定義する可能性がある。
−(了)−
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翻訳者:LJ
記事ID:59122